東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

最後方に

2009年04月06日
秋田
 週末は例の『飛○体』騒動で揺れた秋田県内でしたが、週明けからまたいつもの日常が戻っています。今日から新学期というところが多いようで通勤電車も混雑するようになってきました。



 さて、今日の秋田県内は快晴で、日中はジャケットなどが不要なくらいの陽気、水辺の鳥たちの様子が気持ちよさそうに感じられたほどでした。1月ほど前は水路が凍結して、凍てつくような寒さが残り、カモ達を見て冷たそうだな~と感じていた事を考えると、季節の移ろいの早さを感じてしまいます。


 今日はそんな水辺の野鳥の話題です。現在の承水路はカモたちの姿がすっかり減ってしまって、閑散としだしています。換わりに姿が目立っているのは【カンムリカイツブリ】です。
 この日も2桁羽数の個体を確認しましたが、大半がペアでの観察でした。そろそろ繁殖に向けての行動が始まることと思いますが、今日はそんな【カンムリカイツブリ】の身体に注目して観察してみました。

 私が着目したのは「足の位置」です。野鳥たちの足と言えば、およそ”お腹の中央付近~やや尾羽寄り”から伸びているというイメージをお持ちではないですか?「カモの絵を描いてみてください」と言われるとほとんどの方はその様な絵を描かれると思うのですが、【カンムリカイツブリ】はそれとは異なる位置から足が伸びています。



 先ずは↑の写真からですが、およそ”この辺”と想像する様な位置には足がありませんよね?



 次に↑の写真を見ると・・ちょっと解りにくいかも知れませんが胴体の最後方に足の付け根部分が写っているのがお分かりになりますでしょうか?


 【カンムリカイツブリ】は尾が非常に短く、かつ羽が柔らかいのだそうで、外見上も他の体羽との区別が付きにくいほどだとか・・・。ですから野鳥の場合、普通は体の最後方には「尾羽」があるはずですが、【カンムリカイツブリ】は最後方は「足」なんです。
 足がこの位置にあっては陸上生活や陸上での行動には適していないことは容易に想像できますから、この身体のつくりは水上・水中生活に特化したものなんでしょうね?


 そういえば・・これまで何度となく【カンムリカイツブリ】は見てきましたが水上以外の場所で見たことがないな~。