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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

タシギ越冬中

2009年03月03日
秋田
 今日3月3日は桃の節句。桃の節句といえば起源は平安時代にまで遡ることができ、古くは上巳(じょうき)の節句といった身の穢れを祓う大切な行事であったそうです。平成の世の穢れもどうにかキレイに祓うことが出来ないものでしょうか?



 さて、大潟でこんな話を聞いたことがあります。

 → 今から随分前の話だけど・・ある人が「大潟草原で【タシギ】が越冬している」と報告した時、そんな事は誰も信じられる事ではなかったようで「そんなわけ無いだろ?見間違いじゃないの?」って言われたそうだ・・・って話。

 当時は、その方が撮影した”雪のヨシ原にいる【タシギ】”の写真がモノを言って、ようやく「大潟草原では【タシギ】が越冬している」と認められるようになったそうです。

 現在、大潟草原を良く知る者にとって「大潟草原で【タシギ】が越冬している」と言う事実は当たり前のことになっていて、「今日も【タシギ】があそこの水たまりで採餌していたよ」という会話が普通にされるようになっています。


 図鑑で【タシギ】の項を調べると、『旅鳥』とあります。大雑把に言えば、遙か北の繁殖地と遙か南の越冬地を行き来する際に日本を通過するだけと言うタイプの渡り鳥ということであって、そんな【タシギ】が北東北の秋田県は大潟村で越冬しているなんて・・・ちょっと考えにくいのかも知れません。しかし【タシギ】は本州の中部以南では越冬期に観察されてるそうですから日本で越冬すること自体は驚く事ではないはずです。






 大潟草原で越冬している【タシギ】は2個体で、雪の上を移動しながら採餌したり、氷が溶けてできた水たまりで水浴びしたりと元気に過ごしています。