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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

続・ドジョウを捕食したタンチョウ

2009年01月28日
秋田
 今日の秋田はこの時期としては貴重な青空が広がっています。こんな日の朝はぐっと冷え込むものですが、今朝の寒さは頬に当たる風が”痛い”と感じるほどでした。


 さて、昨日に引き続き、ドジョウを食べる【タンチョウ】を観察した時の話です。昨日はドジョウを探し→見つけて→捕獲し→食べるまでを連続写真でご紹介しましたが、今日は【タンチョウ】がドジョウを捕まえた時に、嘴に巻き付くなどしてドジョウが激しく抵抗している様子を集めてみました。







 食べ方としては昨日の記事の通り、一度ドジョウを地面に置き、不要物を取り除いてドジョウだけを咥え直して口元へ運ぶという流れなのですが、捕まえたドジョウのサイズによって【タンチョウ】が一旦ドジョウを置く場所が異なっているのが見て取れるかと思います。
 1枚目と2枚目は水路の中に居ながらにしてドジョウ食べようとしている様子が写っていますが、3枚目と昨日の記事では水路から出て田んぼにドジョウを食べようとしているのが分かると思います。
 この違いに付いては昨日の記事にご紹介済みですが、ドジョウのサイズによって場所を変えていたようでした。ちなみに食用に販売されているドジョウは『小』約6cm、『中』約8cm、『大』約10cm、『特大』約15cmというサイズ分けがなされているようですが、この【タンチョウ】の場合、『小』~『大』サイズのドジョウは水路にいながらにして食べ、『特大』もしくはそれ以上のサイズのドジョウは田んぼに上がって食べていました。(勿論、私の目測ですから誤差はありますけど・・・)
 この観察中に少なくとも10匹以上のドジョウを食べていましたがその内訳は『中』2匹、『大』4匹、『特大~それ以上』4匹で【タンチョウ】がそれを口へ運んだ場所はこれまで書いてきたことからもうお分かりですね?水路の中が6回、田んぼに上がって4回でした。『大』以下のドジョウであれば多少暴れて抵抗しても逃がさずに食べることが出来ると判断しているんでしょうね?きっと・・・


 ついでに食材としてのドジョウについてちょっと調べてみました。ドジョウには100g中1100mgと豊富なカルシウムが含まれていて、その量はうなぎの10倍に相当し、魚類の中でも最も多くのカルシウムを含んでいるのだそうです。またビタミンDも豊富に含まれているのですが、ビタミンDはカルシウムの腸内吸収を促進する働きがあるそうです。つまりドジョウはカルシウムが豊富でかつその吸収効率が高い食材ということができるのです。ちなみに1日に必要なカルシウムをドジョウから摂取しようとすると『中』サイズのドジョウ7匹程度で充分という計算になるようです。

 まぁあくまでも人間の場合の話ですからそのまま【タンチョウ】に当てはめるのは少々強引ですけど(笑)