アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
キセキレイの尾羽
2009年01月26日
秋田
秋田も週末から断続的に雪が降り続き、現在も窓の外は雪、雪、雪です。
そんな天気の月曜日で、電車やバスのダイヤが乱れ、除雪の行き届かないところもある道路は渋滞し、積雪で歩道が狭くなって歩きにくかったりと通勤通学に様々な”支障”がでた今朝の秋田市内でした。
さて、今日の日記は久しぶりに『羽』の話です。
野鳥たちにとっての尾羽は、飛行時や制止時にバランスをとる時などに必要なものだと思われます。
少し前から、大潟に向かう途中尾羽がほとんど無くなってしまっているトビを見かけます。何かアクシデントがあったのでしょうか?中央付近の1~2枚を残して全て脱落し、残った羽もすり切れているのか短く、ボロボロになっています。しかしそのトビはその状態で既に2週間以上も元気に過ごしています。短い距離を飛んでいる姿は何度も見ていますが、尾羽がほとんど無いなりに対応して特に”支障”無く過ごしているように見えます。くるりと輪を描く場面は見ていませんが・・
さて、↓この羽は森吉山野生鳥獣センターに運悪く入り込んでしまった【キセキレイ】から脱落した尾羽です。当日の案内解説員さんに寄れば、開けていた窓から入り込んだらしいキセキレイが館内から出られなくなっていて、窓ガラスの前でバタバタともがいていたそうです。なんとか逃がしてあげようと試みたそうですが、外に出られず焦っていた【キセキレイ】は人間が現れたので更に暴れたのだそうです。結局は窓の外へ脱出することが出来て、勢いよく飛び去ったそうですが、館内にはこの羽が残りました。
図鑑などによると【キセキレイ】の尾羽は12枚あるそうです。中央尾羽は黒く外側の尾羽は白い部分が多くなるようです。
そのことを元に羽軸の傾きに注意しながら並べてみると↑のような並びではなかったかと思います。左側から1枚目と2枚目は羽軸の傾きが向かって左方向へ反っていて3枚目以降は右側に反っていますので、2枚目と3枚目が「中央尾羽」であろうと思われます。
そうしてみてみると、尾羽の総数は12枚ですから中央尾羽を境に両側に6枚ずつの羽があるはずですから、向かって右側の尾羽は全て脱落してしまったことが解り、残りは左側の外側4枚の尾羽だけということになります。そんな状態では大きな”支障”があった事でしょうね・・・
それでも、当日の案内解説員さんの話では「普通に飛んでいった」そうです。当時は夏羽だった【キセキレイ】は現在、冬羽に換羽しているはずですから無事に過ごしていれば尾羽の揃った状態に戻っているだろうと思います。今も何処かで元気に過ごしていてくれることを願っています。
右から2番目の羽を20倍の顕微鏡で観察してみました。
中央の羽軸から枝状に細かな羽が伸びていて更にその1本1本の羽からもっと細かな枝状の羽が伸びている様子が観察できます。この細かな枝状の羽が絡み合い、バランスをとって整然とした1枚の羽を保っています。
独特の光沢にも目を奪われます。羽軸も、黒い部分も、白い部分も、黄色い部分もそれぞれに輝き、見ていて飽きることはありません。
鳥の羽を見る度に、『本当に良く出来ているものだ』と感心してしまいます。
そんな天気の月曜日で、電車やバスのダイヤが乱れ、除雪の行き届かないところもある道路は渋滞し、積雪で歩道が狭くなって歩きにくかったりと通勤通学に様々な”支障”がでた今朝の秋田市内でした。
さて、今日の日記は久しぶりに『羽』の話です。
野鳥たちにとっての尾羽は、飛行時や制止時にバランスをとる時などに必要なものだと思われます。
少し前から、大潟に向かう途中尾羽がほとんど無くなってしまっているトビを見かけます。何かアクシデントがあったのでしょうか?中央付近の1~2枚を残して全て脱落し、残った羽もすり切れているのか短く、ボロボロになっています。しかしそのトビはその状態で既に2週間以上も元気に過ごしています。短い距離を飛んでいる姿は何度も見ていますが、尾羽がほとんど無いなりに対応して特に”支障”無く過ごしているように見えます。くるりと輪を描く場面は見ていませんが・・
さて、↓この羽は森吉山野生鳥獣センターに運悪く入り込んでしまった【キセキレイ】から脱落した尾羽です。当日の案内解説員さんに寄れば、開けていた窓から入り込んだらしいキセキレイが館内から出られなくなっていて、窓ガラスの前でバタバタともがいていたそうです。なんとか逃がしてあげようと試みたそうですが、外に出られず焦っていた【キセキレイ】は人間が現れたので更に暴れたのだそうです。結局は窓の外へ脱出することが出来て、勢いよく飛び去ったそうですが、館内にはこの羽が残りました。
図鑑などによると【キセキレイ】の尾羽は12枚あるそうです。中央尾羽は黒く外側の尾羽は白い部分が多くなるようです。
そのことを元に羽軸の傾きに注意しながら並べてみると↑のような並びではなかったかと思います。左側から1枚目と2枚目は羽軸の傾きが向かって左方向へ反っていて3枚目以降は右側に反っていますので、2枚目と3枚目が「中央尾羽」であろうと思われます。
そうしてみてみると、尾羽の総数は12枚ですから中央尾羽を境に両側に6枚ずつの羽があるはずですから、向かって右側の尾羽は全て脱落してしまったことが解り、残りは左側の外側4枚の尾羽だけということになります。そんな状態では大きな”支障”があった事でしょうね・・・
それでも、当日の案内解説員さんの話では「普通に飛んでいった」そうです。当時は夏羽だった【キセキレイ】は現在、冬羽に換羽しているはずですから無事に過ごしていれば尾羽の揃った状態に戻っているだろうと思います。今も何処かで元気に過ごしていてくれることを願っています。
右から2番目の羽を20倍の顕微鏡で観察してみました。
中央の羽軸から枝状に細かな羽が伸びていて更にその1本1本の羽からもっと細かな枝状の羽が伸びている様子が観察できます。この細かな枝状の羽が絡み合い、バランスをとって整然とした1枚の羽を保っています。
独特の光沢にも目を奪われます。羽軸も、黒い部分も、白い部分も、黄色い部分もそれぞれに輝き、見ていて飽きることはありません。
鳥の羽を見る度に、『本当に良く出来ているものだ』と感心してしまいます。