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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

実の残った木で待ち伏せ

2009年01月13日
秋田
 先日、久々となった森吉巡視をしてきました。この時期は積雪により森吉山麓高原へ向かう道路が不通となっていて、巡視できるエリアがかなり限られています。しかし別の言い方をすれば・・積雪によって道路のアスファルトなどの人工物が覆い隠され、一面の雪原となっているため奥地まで入り込まなくても野生鳥獣達の息吹を人里近くで感じる事が出来ると言うこと!


 この日は野鳥たちが餌場にしていそうな実が残った木にあたりを付けて定点観測をしてみました。無積雪期には車で通り過ぎるだけだったのですが、腰を据えて観察してみると多くの野鳥たちが姿を見せてくれました。
 



 鳥の姿が見えにくいのですが(後日ちゃんと野鳥の姿が分かる写真で記事を投稿しますのでお楽しみに!)・・・アオゲラ・アカゲラ・オオアカゲラ・コゲラ・ツグミ・シジュウカラ・ヤマガラ・コガラ・ヒヨドリが入れ替わり立ち替わり、やって来てはそれぞれのスタイルで実を啄んでいました。
 本来であれば昆虫など動物性の食事を好む野鳥たちも餌に限りがあるこの時期は植物性の食事にシフトしているようです。枯れ木と雪のモノクロームの世界に現れた鮮やかな羽色の様々な野鳥たちが、同じ木で一緒に採餌している様子は何処か微笑ましく、寒さを忘れさせてくれる暖かみを感じる光景でした。雪のない時期であれば、観察しようとさえ思わないような立地・場所なんですけどね・・・


 この時期でなければ、このように一箇所で何種類もの野鳥に出会うことは難しいかも知れません。また適切な距離さえ保って観察していれば野鳥たちの警戒心も過敏にはならないようです。更には雪原には動物の足跡であったり、食痕であったり、糞であったりと多くのフィールドサインが見つかります。
 積雪によって”行動範囲が限定された”のではなく”動物たちを身近に感じられるエリアが広がった”んだと実感できた巡視でした。