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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

今年もよろしくお願いします

2009年01月05日
秋田
 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 今年はこれまで以上に地域で自然保護活動、野生鳥獣観察などに取り組んでおられる方々とのコミュニケーションを大切にし、密にしていきたいと思っています。そしてその活動の中から”旬の情報”を皆様にお伝えできるよう頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。




 新年一発目の写真は【タンチョウ】にしました。私の年賀状も【タンチョウ】の写真にしました。やはり”おめでたい”イメージがありますからね!


 ついでに【タンチョウ】の名前について調べてみました。
 学名はGrus japonensis(=日本の鶴)、英名はJapanese Crane(=日本の鶴)・Red-crowned Crane(=赤い王冠の鶴)・Manchurian Crane(=満州の鶴)・Sacred Crane(=神聖なる鶴)等の名前で呼ばれているようです。日本の漢字表記では「丹頂」と書き、丹は赤色、頂は頭頂部の事ですから英名のRed-crownedと同じ発想から付けられた名前であることが解ります。
 日本以外のロシアや中国東北部(旧満州地域)等にも生息している【タンチョウ】の生息地から名前が付けられたり、見た目の特徴から名前が付けられている点では他の多くの野鳥と共通していますが、地名から付いた学名・英名に「日本の」という語がある点からも、我々日本人との関係の深さを感じますね?
 
 観察中にお話しした方々の中には【タンチョウ】を単に『ツル』と呼ぶ方が多くいます。秋田では「ツル」と言えば「タンチョウ」を指すのが一般的なようで、昔話の『鶴の恩返し』の挿絵も【タンチョウ】が描かれていますし、おめでたい席などで見かけるツルの絵も【タンチョウ】をモチーフに描かれているのが主因でしょうか?

 またある時お話しをしていた方に「あなたはさっきから【タンチョウ】って言っているけど【タンチョウヅル】が正しい呼び方じゃないの?」言われた事があります。以前は私もそう思っていたのですが、図鑑や文献などを見ると【タンチョウ】と書かれてあります。これは鳥類学などの分野では『標準和名』である【タンチョウ】が使われているので、その様になっています。『標準和名』は野鳥の種類によっては日本各地で様々な呼び方をして、名前がいくつもある種がいて不都合だったために付けられた全国共通の名前で、日本鳥学会が定めたものです。ですから【タンチョウヅル】と呼ぶのは間違いなのか?というと決してそうではありません。(【タンチョウ】の標準和名以外の名前を調べてみるのも面白そうですね?)
 ちなみに図鑑や文献を見ると、日本で観察記録のあるツル目ツル科の7種のうち名前が「○○ヅル」でないのは【タンチョウ】だけです。

 色々調べてみると、この他にも面白いことがたくさんありましたが、長くなってしまったので、今日はこの辺で・・・また機会を作って他の話題にも触れられたらと思っていますのでお楽しみに!