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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

個人的感覚~シジュウカラについて~

2008年12月25日
秋田
 アクティブレンジャーになり、野鳥観察を始めたばかりの頃『まずはシジュウカラから』というタイトルのお手製の小冊子を頂いた。野鳥の会秋田県支部の方がバードウォッチング初心者向けに作られたもので、【シジュウカラ】は年間を通して観察できて、しかも沿岸から山岳地域まで広い範囲に生息しているから観察できる機会も多い、というところから野鳥観察の第1歩として他種との識別や観察できる環境等について書いてあった。
 「野鳥観察をするぞ!」と意気込んでみたものの、何から手を付けて良いのやら?と困っていた私にはそのタイトルが響いて、暫くは手の届くところに置いてあった。

 が、意外に【シジュウカラ】を観察する機会は少なかった・・・正確には存在に気付いても観察できない・・・。小さな身体ですばしっこく、ヤブの中でも自由に動き回るので、その姿を追うのが一苦労で、双眼鏡のフレームに入れるのさえままならない・・・。そんな時がずーっと続いて「小さい鳥はまだ無理だ!」と匙を投げて、見つけやすい大きな鳥から覚えるようにしていきました。

 私にはその方法が合っていたようで、少しずつ野外で野鳥たちの姿が目に付きだし、観察できるようになってきたら小鳥たちの姿も目に入るようになってきました。そうなるとやはり【シジュウカラ】の観察機会は多かった!
 葉が落ちて幾分見通しが利くこの時期は特に姿を見つけやすいし、よく鳴くので声で気付くことも多いし、群れで行動しているから出会う確率も高い。
 先日も20羽ほどの群れに出会いました。その時は5羽ほどが地上に降りて何やら一生懸命に啄んでいましたが、観察している間に何台かの車がそばを通過し、その度に【シジュウカラ】達は松の木や近くの茂みに逃げ込み、車が通り過ぎるとまたその場所へと次々に降りてきて餌を採っていました。余程美味しい餌が沢山あったのでしょうか?



 木の上に目を向けると、松の樹皮の間に嘴を突っ込む様子が観察できました。小さな虫が入り込んでいたようで、枝を器用に渡りながら次々と餌を食べる様子を感心しながら観察していると、1羽だけちょっと変わった動きをする【シジュウカラ】がいました。



 まるでキツツキのように松の幹にしがみついて樹皮の下の虫を啄み、しかもこの状態で徐々に登っていきながら餌を採っていました。その動きはコゲラかゴジュウカラかとも思える動きでしたが、紛れもなく【シジュウカラ】!!『へぇ~シジュウカラってこんな事も出来るんだ~』と感心してしまい、松の木じゃなくてもこの動きは出来るのか?横や下への移動も出来るのか?と、次の観察機会への期待が高まり、【シジュウカラ】への興味が深まっていきました。

 【シジュウカラ】は、じっくり観察すると本当に面白い行動・動きを見せてくれます。一度は匙を投げてしまうキッカケとなった【シジュウカラ】ですが、野鳥観察の面白さを感じて、日々それが深まりつつある今、『これからはシジュウカラもかな?』