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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

最大勢力はハクチョウ

2008年12月18日
秋田
 ガン類の飛来や生息については天候、特に積雪の影響が大きいそうで、その視点で今年の大潟村の天候を考えると、この時期としては比較的安定している印象があるので、多くのガン達が大潟村の空を舞い、水田で採餌する様子が観察され続けてい良いはずなのですが、実際はそうではないようです。

 一時期よりもマガンやヒシクイは数を減らしていますが、ハクチョウだけは大きな変動がなく観察され続けています。中でも【オオハクチョウ】にその傾向が顕著で、現在の大潟村では最大勢力となっています。
 村のあちこちで大きな群れであったり、家族単位の小さな群れが観察できますし、大きく白い身体は遠くからでも見つけられるので余計にそう感じるのかも知れません。



 ↑こういった光景がごく普通に見られます。この辺りが「大潟村の鳥」として指定されている主因なのかも知れません。
 そんなこんなで、最近「じっくり観察」する対象はもっぱら【オオハクチョウ】です。私の個人的な印象ですが、【オオハクチョウ】達はマガンやヒシクイ達に比べて採取場所を変える頻度が高いように感じられます。なので大潟村で観察していると頻繁に採餌場から飛び去ったり、逆に飛来してきたりする様子が観察できます。


 【オオハクチョウ】を観察していて私が最も興味を引かれるのが、着地シーンです。それまで水平に広げていた翼の角度を変えながら減速し、高度を落として狙った場所へ着地しているようなのですが、その時同時に水掻きの付いた足もブレーキの役割を果たしているように見えますし、尾羽もバランスをとるのに重要な役割を果たしているようです。その一連の動きの中で胴体の傾きが変わっていくのも興味深い動作でした。そういった細かな事に気付いたときは「おぉぉ~凄~い!!」と思わず声を出してしまいましたし、「鳥の様子を観て飛行機が進化していったんだなぁ」なんてところまで思いが駆けめぐりましたからね~(笑)





 皆さんもハクチョウ達を観察する際には、彼らの見せる”動作”に注目すると面白い発見があるはずですよ!!