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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ニカワチャワンタケ

2008年11月10日
秋田
 森吉山麓高原内は森吉山野生鳥獣センターも秋田県の施設である青少年野外活動基地も冬期閉鎖となりました。このエリアでは利用できる施設もなくなり、トイレも全て閉鎖されています。森吉山麓高原へお越しの際は充分に注意して、対策をしてくださいますようお願いします。

 このように各施設が冬期閉鎖に入りましたから、このエリアもすっかり人影が無くなりました。トレッキングを楽しむ方はもちろん、キノコ採りの方々ももうシーズンオフのようです。

 一時はミズナラの大木やブナの立枯れ木に向かう踏み跡が無数に見られ、本来は無いはずの”道”が至る所に出来ている荒れた状態でしたが、それも大量の枯れ葉で覆い隠されリセットされたかのようです。
 それほど賑わった後にもかかわらず、こんなキノコは取り残されていました。↓



 【ニカワチャワンタケ】というキノコです。一見するとゼラチン質でキクラゲの仲間のように見えますが、実際はズキンタケ科に属しキクラゲ類とは違う仲間になります。ちなみに図鑑によっては「食毒不明」や「食不適」などと書いてあって確実な記述はありませんが、食さない方が無難です。



 幼菌のうちはお菓子の”グミ”のように見えますが、成菌になると”ダダミ(※)”のようになり、古くなると色も茶色へと変色します。
※秋田では寒中の真ダラのオスからとった白子(精のう)をダダミと呼びます。

 冬枯れの森の中で、ブナの倒木に薄ピンク色の”たこの吸盤”みたいな外見は目を引きます。私個人の意見としてはこの【ニカワチャワンタケ】は目で楽しむタイプのキノコですね。それも幼菌時限定かも知れませんけど・・・(笑)