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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

堂々として

2008年11月04日
秋田
 先日、大潟草原の巡視中、私の運転する車の前をゆっくりとしかも堂々と歩く【キジ】に出会いました。この日記にも時々登場している【キジ】は大潟ではかなり頻繁に見かける鳥ですが、どうやら彼らにとって私は警戒する対象からは外されているのではないか?と感じています。

 この時は【キジ】のオス♂2羽が「南の池」の周囲にあるヤブの中から舗装された道路を横断中でしたが、私の乗る車が近づいても急ぐでもなく、ましてや逃げる気なんてさらさら無いかのような堂々とした態度で歩いていました。



 特に急いでいるわけではないので、車を止めて彼らが通り過ぎるのを待っていましたが、あろう事か彼らは道ばたで何か(餌?)を探し始めました。車を進めるには大きく迂回するか、彼らに避けてもらいしかないのですが、彼らに避ける気は無いようなので、そう言えば最近【キジ】は見ていたけどじっくり見てなかったなぁ~と思ってじっくり観察することにしました。
 その堂々として太々しくも感じる【キジ】を普通のオスの個体かと思って見ていましたが、よく見ると尾羽がまだ短く、所々に幼羽が残っている今年生まれの個体のようでした。しばらくの間じっくり観察していなかった事が悔やまれるほど大きく、立派に成長していました。


 ただこの状況はかなり心配になります・・・。と言うのも11月は狩猟が解禁になり、なんともブルーな気持ちになる時期。大潟村は国指定大潟草原鳥獣保護区と秋田県の指定する八郎潟西部鳥獣保護区と一部の特定猟具使用禁止区域を除いて狩猟が可能です(オスのイタチは全域で捕獲禁止)。
 秋田県の狩猟期間は11月15日から翌年2月15日まで、ただしカモ類(11種)は11月1日から翌年1月31日まで、キジ・ヤマドリは11月15日から翌年1月15日までとなります。『秋田県鳥獣保護区等位置図(平成20年度版)より』
 
 つまりこうしている今もカモ類(11種)が・・・今月15日になると【キジ】も・・・
 この観察場所は国指定の鳥獣保護区内なので、大きく移動しない限り彼が狩猟の対象になるおそれはありませんが、規制のない区域にいる【キジ】もこの様に堂々としていたら・・・