東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

見納めの観察会

2008年10月27日
秋田
 先週の23日(木)に仙北市田沢湖公民館の主催する自然観察会に現地のガイド役として参加してきました。
 この観察会は年5回仙北市を初めとする秋田県内の豊かな自然にふれる目的で行われているようで、今回が3回目の観察会でした。普段は森吉山野生鳥獣センターに展示してある壁画の作者である三村氏と玉川ビジターセンターの千葉氏が講師を務めているそうですが今回は桃洞滝コースと云うことで不肖私が先頭を歩いて自然観察を行いました。



 この日の森吉はちょっと風があって、終盤を迎えた紅葉の葉が次々と舞う中「今年の紅葉はこれで見納めですね~」と話ながら歩きました。



 落ち葉の量はハンパなく大量で、川の水面を埋め尽くすほどでした↑。この川は「ノロ川」といい、一枚岩の河床を穏やか~に流れ、普段はあまりの穏やかさに水がどちらに流れているのか解らない程!水がノロノロと流れる川だから「ノロ川」と名付けられたという話があります。
 その話が「なるほど!」と納得するような現象でした。流れがあれば落ち葉も流れ下っていきますものね?



 目的地の桃洞滝は水量が少なく、いつにも増して穏やかな印象でしたが、初めてご覧になる方も多く「キレイね~!」「思わず拝んじゃうね?」と笑顔で眺めていましたが、この時期は汗をかいた後そのまま休憩していると急激に身体が冷えるもの・・・。しかも小雨がパラパラと落ちてきてしまったので記念撮影をしただけで引き返しました。
 日程や雨でバタバタとした観察会でしたが、参加された方々からは「良いところを教えて貰ったからまた来年くるよ」と言っていただき、救われた気持ちになりました。
 地図を広げると田沢湖と森吉は近いように感じますが、道路で移動するとなると片道約100㎞の行程。しかも田沢湖周辺は豊かな自然が豊富で、多くの登山対象となる山があり、気持ちよく散策できる渓谷もあり私自身もよく足を運びますし、とっても好きなエリアです。そんなエリアに住んでいながら他の地域にも足を向け積極的に学ぼうとする姿勢からは、よくありがちなイベント的な単発の自然観察会とは全く違った雰囲気が感じられました。このような観察会のお手伝いが出来て光栄に思いますが、その縁は今後も続きそうです。 

 この後、森吉周辺では雨が降ったり、風が強かったりといった天候が続いていたようですからこの日が”紅葉の見納め”となりました。我々が歩いていた最中もドンドンと舞い落ちていた落ち葉は川面を埋めただけでなく、歩道も埋め尽くしていました。
 落ち葉の絨毯をのんびり歩いていただきたかったのですが、あいにくの雨と風・・・。やや早足で森吉山野生鳥獣センターに到着すると館内のペレットストーブに火が付いていました。この日を境に森吉山麓はストーブの火にありがたみを感じる季節に突入しました。