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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

【実施報告】『植樹体験』

2008年10月21日
秋田
 昨日この日記に書いた観察会の実施報告に続き、今日は『植樹体験』の実施報告をします。

 観察会終了後、進行を秋田県水と緑推進課の職員に引き継ぎ、参加者を植樹会場へ誘導していただき植樹体験を実施しました。
 植樹をする場所は、事前に耕して植樹しやすいように作業してありました。参加された皆さんは各自2本ずつブナの苗木を選んで思い思いの場所に植樹をしていきます。

 先ずはスコップで植え穴を掘り、たい肥を加えます。そこへポットから取り出した苗木を植えるのですが、この時、苗木が植えられている土の上面と地面とが同じ高さになるように調整します。それが出来たら掘り返した土とたい肥を混ぜ合わせて埋め戻し、苗木を安定させます。その上に土壌の水分蒸散を防ぐためにススキを刈り取って苗木の廻りに敷き詰めます。そのススキが風で飛ばないように土をかぶせて作業は終了です。


スコップで植え穴を掘ります。


その穴にたい肥を加え苗木を植える。

 各自2本ずつの植樹が終わると、用意してある杭に「植樹者の氏名」「植樹年月日」「メッセージ」を書き込んで苗木のそばに打ち込みます。
 自分の植えた苗木が後に復元された森の礎となるようにと思いを込めて植樹しました。


植樹されたブナの苗木

 秋田県水と緑推進課の藤原氏によると・・・この厳しい自然環境の中に植樹されたブナはこの後、様子を観ながらも基本的には手を掛けずに生育を見守る方針とのこと。それでもブナは元来強い樹種なので周囲の草に負けず成長していくはず。更には春いち早く芽吹くブナは野ウサギなどの食糧とされることがあり、そうなるとその年は葉を出せずに過ごすことになるが、それでも強い生命力で根は生き続け、翌年にはまた葉を芽吹かせる力を持っているとのこと。
 藤原氏は「だから、もし来年植樹した苗木に葉が無く枯れたように見えてもきっと根は生きているはずだから諦めずに見守り続けてください」と熱く訴えかけていました。
 植樹された方々の願いと担当者の熱い思いが受け継がれていけば、きっと次の世代には復元の兆しが見えた森を引き継げるのではないか?と感じました。

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