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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

頑張る外来種バスター

2008年09月26日
秋田
 ここ数日でようやく西部承水路にも渡ってきたカモの姿を見るようになってきました。「いよいよこの時期がやってきたな」とワクワクしてきます。
 先日も水面で羽を休める20羽ほどのカモの群れを見つけたので双眼鏡で観察しました。しかしこの時期のカモのオスは図鑑などに載っているような綺麗な羽ではなくエクリプスという地味な羽をしている個体がほとんどですからパッと見ただけでは何の種類なのか良くわからない場合が多々あります。この時もちょっと遠かった上に、左側へどんどん逃げていくようだったので急いでスコープを用意して観察し、ようやく【オナガガモ】の群れであることが解りました。暫くはそんな観察が続きそうです。
 
 さて、話は逸れて・・・スコープを覗いて観察している最中に、右側から「ばっしゃーーん」という大きな音がしました。直ぐに【ミサゴ】か?と思ってその方向を見るとやはり【ミサゴ】でした。見ると大きな魚を捕らえています。


 「これは随分と大きな魚を捕まえたな」と感心しながら見ると捉えたのは【オオクチバス】のようです。西部承水路ではほぼ毎日のようにバス釣りの方の姿を見かけますが、ほぼ100%釣った魚を入れる道具を持っていないようです。つまり釣った魚はリリースしていると言うこと・・・。ここではリリース禁止になっているんですけどね・・・。
 西部承水路はじめ旧八郎潟でも他の地域同様こうした外来魚の侵入による在来魚の減少が問題となっています。しかしなかなか具体的な対策が打たれないまま今日に至っているのですが、そうした中で孤軍奮闘しているのが魚食性の【ミサゴ】です。



 図鑑によれば【ミサゴ】の嘴の先端から尾羽の先までは57cmだそうです。ざっと見ても【ミサゴ】の半分以上あるようですから30cmオーバーは確実です。釣り人から見れば40cmを越えなければ大物とは言わないそうですが、【ミサゴ】にとってはかなりの大物であったようです。
 よくみると【オオクチバス】の頭に爪を立てて暴れないようにしっかりと固定して飛んでいきました。しかも「重っ」っと言わんばかりの鳴き声を上げながら・・・。


 以前にもこの日記でお話ししたように【ミサゴ】の観察機会が増えているように感じられるということはそれだけ、ここでの餌の確保がしやすくなっているということですよね?
 それを地元太公望の「以前に比べて在来の魚がつれなくなった」という話と合わせて考えると・・・今後【ミサゴ】への期待が大きくなっていくかも知れません!もちろんそれだけで良いとは思えませんけど。