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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ヤマカガシ

2008年09月19日
秋田
 秋は来る冬に備えて、或いは繁殖期を迎えて活動が活発になる動物たちが沢山います。秋はそんな動物たちで森が賑やかになる時期でもあります。


 森吉山麓でよく見かけるヘビの代表格である【ヤマカガシ】も秋が繁殖期となり、このところ活動が活発になりつつあるようです。彼らの姿はこれまでも登山道脇などで見かけていましたが、最近は車が通る道路の上で頻繁に見かけるようになりました。先日は1日に2回、道路を横断途中の【ヤマカガシ】に出会いました。



 この時は観察しようかと思い、車を止めて降りた途端に方向を変えて今きた方向へ戻っていきました。写真はそんな瞬間を写した物です。【ヤマカガシ】は本来臆病な性格だそうで、人間を見かけるとほとんどの場合、この様に逃げていくのだそうです。



 また、【ヤマカガシ】はちょっと高いところが好きなようです。先月の画像になりますが、笹の上でのんびり過ごしているところを見かけました。時には木の枝股で過ごしていたりもします。

 このような生態をじっくり観察したい気持ちもあるのですが、ご存じのように【ヤマカガシ】は毒をもつヘビです。しかも2種類の毒をもっています。
 一つは主に獲物を食べる時に用いられる毒で、あごの後ろ側にある分泌腺から喉の奥にある牙を伝ってきます。もう一つはあまり知られていないのかも知れませんが、首の後ろの辺りから出されるステロイド系の毒で、主に【ヤマカガシ】が天敵に捕まった場合に逃げるために放たれます。もし毒が目に入ったりすると失明のおそれがあるほどの強いものだそうです。

 このところキノコ採りの最盛期となって入山者も増えてきました。【ヤマカガシ】も活発に動き回っています。そうすると出会い確率も上がるでしょう!時にはお互い、至近距離まで接近してから気付く事もあるかも知れません。そんな時でも噛まれる心配は少ないと思われます。が、うっかり手を出したりするともう一つの毒を放たれてしまうかも知れません。用心が必要です!
 しかし、本来【ヤマカガシ】はとっても臆病な性格だそうです。時に威嚇してくる場合があるそうですが大半は逃げ出しますし、場合によっては死んだふりをする時もあるとか・・・

 もし【ヤマカガシ】に出会ったら、彼らは我々以上に慌てていることでしょうから、むやみに近づかずに彼らが逃げていくのを見送ってあげましょう。【ヤマカガシ】は自らの身の危険を感じない限り、我々人間にとって特段危険な存在ではないのですから・・・