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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ヘビの脱皮

2008年09月18日
秋田
 朝夕にはだいぶ涼しくなって、山に行くとひんやりした清涼感が感じられる良い時期になってきました。ぼちぼち紅葉も始まってきたようです。

 先日、森吉山麓の林道でヘビの抜け殻を見つけました。森吉では抜け殻自体は特段珍しくもないので、「あっ、またヘビの抜け殻があるな・・」くらいのリアクションで素通りしそうになったのですが、その直前に【ヤマカガシ】と出会っていて、そのサイズと抜け殻のサイズが何となく似たような大きさだったので、ちょっと気になって足を止めて観察しました。その【ヤマカガシ】が抜け殻の主とは言い切れないですけど・・・



 思えば・・・私自身、ヘビの抜け殻をじっくり観察したのは初めてだったかも知れません。よーーく見ると、なかなか面白い素材でした。
 
 ところで、ヘビの脱皮はどの様にして行われるのでしょうか?考えられるのは・・・・
①我々が寝袋で寝ている状態を脱皮直前のヘビとイメージ
 →我々が寝袋から抜け出すようにして脱皮が行われる。
②我々がロングスパッツ(女性ならばストッキングが解りやすいかも?)をはいている状態を脱皮直前のヘビとイメージ
 →ウエストの部分だけを引っ張って脱ぎ捨てるようにして脱皮が行われる。
の2つの方法であろうと思いますが、①では脱皮前に外界に接していた面が脱皮後も同じく外界に接していて、②では逆に脱皮前に体に接していた面が脱皮後は外界に接することになりますよね?



 先ずは頭側の部分を見てみましょう。ここを見ると①の方が有力かな?と思えてきませんか?頭の方の皮がくしゃくしゃになっています。寝袋から抜け出すとこんな感じになりませんか?
 ちょうどブドウを食べるときのように、長い体をした蛇が”すぽっ”と古い皮から抜け出すように脱皮したんじゃないか?と・・・しかし次の写真を見ると!
 


 蛇の体には無数の”うろこ”のような物がありますよね?その”うろこ”は体に付着しているのですから凹凸は『凸状』になっていますよね?ところがこの写真をよーーーくご覧下さい。確かに”うろこ”状の凹凸は見られますが『凹状』になっているのが確認できます。(写真をクリックすると拡大されます。)
 と、いうことは②の方法で脱皮していることになります。ちょうど靴下を急いで脱いだ時に靴下が裏返しになるように・・・

 実際の脱皮は、口の辺りに出来た裂け目を岩や樹木等凹凸に擦り付けながら徐々に脱皮後の新しい体が露出し、同時に古い皮は徐々に裏返っていって、完了するのだそうです。

 良く見るものでも、知っていることでも、実際に現物を観察すると、そこから受けるインパクトが違いますね。まさに「百聞は一見にしかず」です!



 余談ですが・・蛇の皮を財布に入れておくとお金が貯まるって話を聞いたことがあると思います。私もその話を聞いて、大いなる期待をしてここ数年間財布に入れて過ごしていますが、未だにその恩恵がないまま今日に至っています。