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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

タマゴタケ

2008年08月12日
秋田
 このところ、巡視などで山を歩いていると足下に”キノコ”がたくさん顔を出してきているのに気がつきます。出来るだけ特徴が解りやすいように写真を撮ってくるのですが、これがなかなかハードルが高い!!
 撮影した写真と図鑑を見比べて「これはなんていうキノコだろうか?」と調べるのですが、なかなか図鑑と同じようなものが見つからずに、結局「何だか良く解らない」なんてことも時々・・・キノコに関しては時にベテランさえも間違って食中毒に陥ることもあるので、私のような未熟者は”とる”のは”写真だけ”にしといた方が無難なようです!!

 今日はそんな私が撮影したキノコの中から【タマゴダケ】を紹介します。これは私のような初心者でも比較的同定しやすいので・・・






 下にいくに従って発生から時間が経過した成菌になるように並べてあります。1番上の写真を見ると『真っ赤なタマゴ』にも見えますが【タマゴダケ】の名前の由来は、全ての写真で柄の根元部分に白いものが見えていますが、幼菌の時は、それがタマゴのように見えることからその名前が付いたそうです。1番上の写真は、白い卵の殻が割れて真っ赤な実が出てきたところにも見えますよね?解りやすいいい名前だと思ってしまいます。



 この【タマゴダケ】は比較的大型であるし、真っ赤な傘が目を引いて見つけやすいキノコです。それほど数多くは見つかりませんが森吉山麓では毎年何処かで見かける種類です。
 先日この日記でもお伝えしたR大の授業の際にも歩道脇にみつけて、ほとんどの学生が興味を持って写真撮影をしていました。ある学生から『これはなんて言うキノコですか?』と質問されたので『これはタマゴダケっていうんだよ!根元にある白い物がタマゴの殻みたいでしょ?』と言うと『あっ本当だ!』と言って殻を触って『柔らかい殻ですね?(笑)』と言った後『これ食べられるんですか?』と聞いてきました。『うん!食べられるよ』と言うと『えーーーーっ食べられるんだぁ?』そして『美味しいんですか?』と・・・。『うん、美味しいらしいよ!っていうか美味しいよ』と笑顔で答えたのですが、若干ひいていましたね・・・(苦笑)
 まさかこんな見た目にも毒々しいキノコが美味いなんて・・・って事ですよね?私もそう思っていましたよ。詳しい方に実物を見ていただいて『間違いない』とお墨付きを頂いてもほんの一口しか食べられませんでしたから・・・


<注意>
 このキノコによく似た毒キノコがあるそうです。食す場合にはキチンとした知識を持った方に同定していただいて、確実な場合にのみ食すようにしてください。にわかな知識でよく解らないキノコを食すのは絶対に止めましょう!