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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

一石二鳥

2008年07月17日
秋田
 引き続き森吉山の外輪山を歩いたときの話です。この日は黒石川林道の出会いから割沢森を経て小池ケ原までを往復で歩いてきたのですが、このコースは観察会を行った高場森よりも更に人気のないコースです。理由は割沢森と小池ケ原の間にある急な登山道です。私ももうすぐ小池ケ原だとは解っていても「まだかよ・・」と泣き言を言いたくなったほどです・・

 そんなコースですから当然整備も行き届かず場所によっては、歩道が見えなくなっていました。このエリアは地元の方々を中心にしっかりとした整備がなされますので、間もなくここもキチンと整備されるのでしょうが、その際一石二鳥になりそうな現場がありました。(私個人はプライベートで藪山も歩いているのでこれくらい全く意に介さないのですが・・・)



 【フキ】が密生していて木道が一部隠れてしまっていました。整備する際には刈り払われるのでしょうが、【フキ】はご存じのように食用になるんです。と言うことは刈り払った【フキ】を持って帰れば・・・一石二鳥じゃありませんか?

 でも【フキ】なら何でも食べられるというわけではありません!と言うよりはどれを食べても美味しいわけではない!と言った方が正しいのかも知れません。


 【フキ】の茎部分を写してみました。赤みがかった茎と緑の茎があるのが分かるかと思います。秋田では赤フキ、青フキと呼んでいて食用に適しているのは青フキとされています。※赤フキは筋っぽくて美味しくないとか・・。



 今度は青フキが株立ち(?)している物を写してみました。写真に番号を振りました。この中で食用に適しているのは①と③だと言われています。②は真ん中にあって秋田では「真ん中はスカスカしていて味がない」として敬遠されます。
 更にはもう【フキ】を初めとした山菜のシーズンは終わったんじゃないか?と思われるかも知れませんが、余程日当たりの良い場所以外は秋まで大丈夫なのだそうです。

 登山道の整備になって、食卓が豊かになってと一石二鳥じゃないですか?
 これをきっかけにこのコースを歩く人が増えて、山菜などの地域食が更に見直されて・・・もしかしたら一石三~四・・鳥にもなったりして・・・。