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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

【実施報告】自然観察会『森吉山麓のスギ原生林を訪ねる』

2008年07月07日
秋田
 週末の秋田県内は「曇り時々晴れ」悪くはない天気でしたが、エリア全体に”もや”がかかったように見通しもきかず、肌に湿気がまとわりつくような梅雨独特の空気が立ちこめていました。しかも日曜日は県内各地で気温が30度を超える暑い一日・・・。こんな日は森の中で過ごすに限りますね!!

 
 今回の観察会は39名と定員(と私の予想)を超える方々にご参加いただきました。秋田での森吉エリアと天然杉への関心の高さなのでしょうか?
 観察会がスタートして直ぐにモリアオガエルの卵塊、ツキノワグマの足跡、可憐な花、大きくなり始めた木の実・草の実など、解説をする方も聞く方も忙しい!順調な滑り出しとなりました。



 今回は特に樹木に詳しい講師・スタッフ陣がその手腕を大いに発揮して、詳しい説明がなされていました。樹木の識別の仕方・実について・特性について・活用方法などそれぞれが自らの経験を元に話をしますから、そりゃ説得力もありますよね?



 ↑の写真は隣の小ピークから高場森の天然スギ自生地を眺めています。写真では解りにくいのですが・・・この森には樹齢200年を軽く越える大木だけでなく、まだまだ成長を続けている育ち盛りの若木も見られます。よく見ると全体に丸まっているもの(樹齢200年を軽く越える)に混じって、空に向かって尖ったもの(育ち盛りの若木)も散見できますから・・・。この天然スギの森は世代の異なるスギが同時に存在する森なのです。



 足下にはこんな次世代への力も芽生えていました。力尽きて倒れた杉の幹に新しい芽が出ていました。他にもよく見るとここ数年の間に生まれた新しいたくさんのスギが確かに育っていました。
 ある参加者の方は『ここは秋田の宝だね!』とおっしゃいっていましたが、このお宝は天然更新がなされていて、まだまだ未来に希望を繋いでいるお宝です。

 観察会終了後には『知識が増えて賢くなったようだよ』と感想をいただいて我々スタッフ一同も嬉しくて、気分良く家路につきました。