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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ヒトヨタケ

2008年06月25日
秋田
 窓の外から見える空は、梅雨時らしくすっきりしません。雨の気配は感じないのですが湿度は高いようです・・。こんな日は事務所にいるよりもブナの森の中に居た方が何倍も気持ちいいのになぁ~と思いつつデスクワークです。


 先日、森吉山麓の桃洞滝へ行ってきました。以前この日記でモリアオガエルの産卵の様子をお伝えしました。そろそろ卵塊の中でオタマジャクシが動き回っているのを期待したのですが、まだその兆候は見られませんでした。と、書いている今日あたり池の上ではそんなドラマが始まっているかも知れませんけど・・・

 一つくらい期待がはずれてもまだまだ見所はいっぱいです。今日はその中からブナの林床で見かけたキノコを紹介します。





 【ヒトヨタケ】です。漢字では【一夜茸】と書きます。このキノコは、傘の部分が周辺部から徐々に液化して、最後には柄だけを残して溶けて無くなってしまうという特徴がありますが、それに要す時間が『一夜』と言うことで名付けられたそうです。(でも実際には溶けて無くなるまで数日かかるようですが・・・)
 図鑑には、「傘は初め卵型、後に釣り鐘型、さらに徐々に開いて菅笠型になる」と言うように説明されています。この場所ではちょうどその説明通りの各段階が見られました。1枚目の写真に卵型→釣り鐘型→徐々に開いて・・の3段階が、2枚目の写真には菅笠型に開いた段階が見えますね!事務所にある図鑑よりも良いサンプル写真が撮れたと自己満足に浸っています・・(笑)

 
 ちなみに・・このキノコは幼菌を食すことができるそうです。(でも何処の段階までが『幼菌』なのか判断が難しそうですね?)
 しかし!!酒類を飲む前に食べると中毒になるそうです。含有成分であるコプリンがアルコールを分解するための代謝の働きを阻害して、血液中にアセトアルデヒドが蓄積するのだそうです。ご注意下さい!!