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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

卵塊 鈴なり

2008年05月28日
秋田
 現在、秋田自然保護官事務所では6月8日(日)森吉山野生鳥獣センターから森吉山麓高原の人気スポット桃洞滝までのコースを舞台に行う自然観察会の参加者募集を行っています。まだ定員までには若干の余裕があります。皆さんのご参加お待ちしています。


 昨日は森吉山麓高原に行ってきました。本格的にシーズンが始まる前に出来るだけたくさん歩いて情報収集したいと思っているのですがなかなか思うようにいきません・・・・。
 それにしても良い季節になってきました!!足元を見れば小さな花たちが群落を作り、木を見上げればシャンデリアのような豪華な花が見られます。小さな生き物たちもたくさん見かけるようになってきました。ブナの幹にはエゾハルゼミの抜け殻がいっぱい見つかりますし、色とりどりの蝶もひらひらと飛び回っていました。一歩一歩の歩を進めるのが楽しみになってきます。

 楽しみながら気持ちよく歩いて居ると池の上にモリアオガエルの卵塊を見つけました。毎年卵塊を見かける池の上に1つ。しかもまだ新しいようでシュワシュワと泡がはじける音が聞かれ、よく見ると白い卵も見えました。



 きっと今朝、産み付けられたものだろう想像できますが、『もっと早く来ていれば産卵シーンも見られたかも?』と思うと残念に思います。でもまだ一つしかないし、これから『また産卵が行われるだろうから次のチャンスがある』と自分に言い聞かせました。
 その池にはクロサンショウウオの卵嚢があり、ヤマアカガエルのオタマジャクシ(だと思いますが・・)もいました。この環境はモリアオガエルにとってどうなんだろう?



 もう一つ別の池を見てみたら、そこには卵塊が重なり合って枝が大きくしなっていました。



 そこの池の卵塊は今朝、産卵し終えたばかりに見える真新しいものもありましたが、既に外側が乾燥して茶色に変色しているものもありました。と言うことはモリアオガエルの産卵は既に終盤を迎えているのかも知れません・・・。毎年『今年こそはモリアオガエルの産卵を観察する』と意気込むのですがなかなか出来ずにいます。次はもう少し標高の高い場所にある池に行ってみようかな?

 
 卵塊の中の卵は、乾燥や風雨に耐え抜いたものが2週間ほどで孵化します。そして卵塊の下にある池で1ヶ月ほどオタマジャクシとして生活し、生き残ったものは変態して陸上生活を始めます。昨日産卵したと仮定して・・孵化するのが6月10日前後。更に1ヶ月後の7月10日前後には小さなカエルの形に変わって陸上生活を始めるはず・・それまでの間が楽しい観察期間となります。