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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

とらわれの者達

2008年05月23日
白神山地
 今日、3年間通行止めになっていた西目屋二ツ井線がついに開通しました!
早速その道を使って苔むしたブナ林がきれいな岳岱(だけたい)にカウンタの設置に行ってきました。


岳岱に設置したカウンタ

この道を使うと西目屋村から岳岱まで1時間ちょっとで行くことができました。
今まで国道7号線を使ってぐるっと回って3時間かかっていた道のりがうそみたいです!
なんか時間もガソリン代もCO2も押さえられていろいろ得した気分。

そして入山カウンタを設置した後、藤里駒ヶ岳のふもとに広がる田苗代湿原を巡視したのですが、
その時に「とらわれ者」を発見しました。

なんに囚われているのかというと…、

囚われのマイヅルソウ

そう葉っぱです。

そしてここにも、

囚われの??

どうしてこういう事になったのでしょう。
この写真を見ればなんとなく分かるかな?

 囚われのエンレイソウH19.5.9撮影

葉に穴が開いてますよね。 
おそらく、春になって芽を出そうとしたらたまたま葉の穴があって
そのまま伸びてみたら見事にはまってしまったのでしょう。


囚われのカタクリ H20.4.15撮影

その姿は愛らしくも見えますが、植物にとっては死活問題です。
葉を開けないということは光合成が出来ないということ。
人間に例えればご飯が目の前にたくさんあるのに
食べれないのと一緒です。
葉をちょっと開けばふりそそぐ太陽光線で光合成ができるのに…


あまりにもかわいそうなので
はずしてあげました。
しばらくしたら葉を開いて元気よく光合成をしてくれるでしょうか?






おまけ


ザゼンソウ
花粉をまき散らしています。


今年種から出たブナの双葉
上にひょろっと出た部分がこれから本葉になるところ

平地ではもう花が終わったり本葉が出たりしていますが、田苗代湿原は
標高が高いので春の来るのがちょっと遅いようです。