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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ケリ吠える

2008年05月21日
秋田
 昨日の雨が上がり秋田市上空には青空が戻ってきました。昨日の雨は農作物にとって恵みの雨となったようです。うちの近所でも農家の方々が既に田んぼの水不足を懸念していましたから・・・

 以前の日記で大潟草原周辺で見られるシギの情報をお伝えした時に【ケリ】も観察されていると言いました。私の印象では巡視で出かけると大潟草原に通じる道や堤防沿いの道から見える水田や休耕田で頻繁にケリの姿を見かけていましたから『色んな場所で繁殖しているなぁ~』と感じていました。でも管理員さんの印象では『今年はケリが少ないなぁ~』と感じているようです。私は『と、言うことは例年はどれだけ多いんだろう?』かと興味がわいてきますが・・・

 その【ケリ】ですが最近カラスやトビを執拗に追いかけ回す姿が観察されます。名前の元となった『ケリリ・・』と言う鳴き声も一段と激しくなり吠えているように聞こえます。『ケリケリケリケリ』とけたたましく鳴く様子は番犬が不審者に向かって吠えまくる姿とダブります。
 先日も2羽のケリを観察していると一羽のケリが突然飛び上がり、吠えています。その行方には一羽のトビがいました。『そんなに遠いのに?』と思えるほど遠くにいたトビを執拗に追い回し始めました。


 ※写真はこの記事の内容の個体ではありません。その時はその様子にあっけにとられて写真を撮っていませんでした。 

 程なくトビは去っていきました。すると直ぐに同じ場所にケリが戻ってきました。その間にももう1羽のケリが飛ばずに、でも同じように吠えていました。どうやら私に向かって吠えているようです。



 そのケリにちょとした恐怖を感じながら観察を続けていると周囲に動くものを見つけました。



 写真が見にくいかも知れませんがケリの雛でした。巣立ち直後のようで、小さな体で田植えが終わった水田をせわしなく動き回ります。この時は2羽の雛を見つけました。ケリは巣立ち直後の我が子を守るために懸命だったのです。