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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

歳時記2題

2008年04月25日
秋田
 今朝方はどんよりした曇り空が広がっていた秋田市内も日が差してスッキリした空模様になってきました。明日からGWに入り色々計画されている方も多いかと思いますが秋田県内では概ね好天が期待できそうです(全部晴れとはいきませんが・・)。

 今日25日は大潟村内の農業用水路に水が流される日だそうです。(予定が変わっていたらスミマセン・・)「えっ?なにそれ?環境省に何が関係あるんだ?」と思われるかも知れませんが、これが野鳥の生息範囲拡大に大きな影響を与えるのです。例えば・・・
①水路に水が流されるとその水に沿ってカワセミが生息範囲を広げます。
②水路に水が流れると農作業の「しろかき」が始まり、水の張った水田にシギ類が現れる。
③同じようにサギ類も水田に現れます。
④さらにはユリカモメが「しろかき」後の水田に数百羽単位でやってきます。

 この④にあげた数百羽のユリカモメが水田に現れるのが毎年恒例の光景なのだそうです。今年はと言いますと承水路から続く船越水路にユリカモメの群れが観察されています。彼らがやってくるのか?それともまた別の群れが来るのか?解りませんがきっと今年も水路を通ってユリカモメの群れが大潟にやってくることでしょう。

 船越にいた【ユリカモメ】です。沿岸各地ではお馴染みの小型のカモメです。ついこの間までは冬羽からの移行期で頭がゴマ塩状態でしたが今は殆どの個体が夏羽になっています。

 これも船越にいた個体ですが、一部の偵察部隊なのでしょうか?少数のユリカモメが承水路に沿って飛ぶ姿が見られます。「まだ水は張らないのかな?」と期待して偵察しているのかと想像しています。


 話題は変わって・・今週の月曜日と火曜日は研修会に出かけていました。その移動中に出会った毎年恒例の光景を紹介します。
 研修会の会場は田沢湖高原。秋田駒ヶ岳や乳頭山の山裾にある高原です。秋田市内からその場所へ向かうには国道46号線を利用します。現在の秋田県内の国道46号線沿線は『花街道』となっています。そのどれもが魅力的なのですがこの日一番綺麗だと感じた景色が・・・

 仙北市刺巻地区の国道46号線から見える秋田駒ヶ岳です。周囲の花びらや新緑の淡い色合いの向こうに青い空と残雪を抱いた秋田駒ヶ岳。この時期絶対見ておきたい景色の一つです。

 駒ヶ岳の名前の元にもなった駒の雪形が見えていました。緑の線を書き入れてみました。この雪形をみて農家の方々は「そろそろ・・・」と活動を始めるそうです。
 地元には、秋田駒ヶ岳の馬の口が岩手県側、お尻が秋田県側を向いていることから・・・『駒ヶ岳の馬が岩手の草をどんどん食べるもんだから岩手の土はやせてしまって稲作は難しく、お尻が向いてる秋田側は馬の糞がいっぱい落ちて土が肥えているから美味い米がとれる』なんて伝承があります。

 野鳥の活動や景色を見て「あぁ~○○な時期だな~」と感じる事柄は各地で色々ありますよね?季節を感じさせる光景・情景がいつまでも見ることが出来る環境を守っていくことが大切ですね!