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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

マタギの里にも春

2008年04月17日
秋田
 昨日の秋田は快晴。でも何となく辺りがぼんやりしたような感じ・・。春霞ってこんな感じなのかな?なんて思いながら森吉山麓を巡視していました。

 森吉山麓は雪国秋田でも有数の豪雪地帯。その中でも旧阿仁町(現在は北秋田市阿仁)の打当(うっとう)地区は特に雪の多いところです。裏を返せば春の訪れが遅く、春の到来を一際喜びを持って迎えられる地域です。
 余談ですが・・打当地区は第131回直木賞受賞作品である熊谷達也著『邂逅(かいこう)の森』の主人公であるマタギ松橋富治の生まれ故郷です。この地にある温泉は「マタギの湯」、道の駅も「マタギの里」、更には「マタギ資料館」もある”マタギ”の息づかいが今も感じられる地域です。
 しかし、その打当地区も昨年9月の豪雨災害で被害を受けました。道路が流されたり、土砂が家屋の直ぐそばまで迫るなどして、現在もなおその爪痕を見ることが出来ます。

 でもその地域にも他よりもちょっとだけ遅れて春がやってきました。道ばたには【マンサク】【カタクリ】【キクザキイチゲ】【オオイヌノフグリ】【ミズバショウ】が咲いていました。




 「雪の白」と違って「花の白」には命の息づかいが感じられます。マタギ達も花を見て春を感じていたことでしょう!勿論、野鳥や昆虫たちの息づかいもそこかしこに充満していますよ!

 【ホオジロ】打当地区ではホオジロの他【キセキレイ】【ハクセキレイ】【ノビタキ】の姿が見られました。

 昆虫も沢山見られます。特に蝶々がいっぱい飛んでいました。これは【タテハチョウの仲間】だと思います・・(多分) 他にも3~4種類の蝶々を見ましたが写真を撮るのは難しいですね・・

 これからはもっともっと多くの”命の息づかい”に触れられる時期になっていきます。特に打当地区の先『奥阿仁』と呼ばれる地域ではより一層強く”命の息づかい”を感じられる場所だと思っています。是非皆さんもその息づかいを感じてみて下さい。