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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

キジの選択=「歩いて渡る」

2008年04月16日
秋田
 昨日の出来事です。大潟草原鳥獣保護区の巡視をしていた私は、東区と呼んでいる南の池などがある区域を巡視しようと車を走らせていました。
 私の乗る車は秋田県立大学の実習農地や牧草地を左に見ながら南の池方面に向かっていました。保護区に差し掛かって、ヒバリやウグイスの声に心和みながら進んでいくと前方に1羽のキジ♂が見えました。後ろ向きだったキジは私の存在に気付いていません。車を止めてそのキジを観察していた私に数分経った後に気付いたキジは当然、逃げようとしたようです。

 【キジ】は私に気付き逃げようとしますが場所が悪かった・・?
 彼が居た場所は農業用の水路の縁。その場所は10cm足らずの幅しかありません・・・バタバタバタと飛んでいくだろうと思ったのですが・・・
 逃げ出す場所は?私から見て左側には広大な農地が広がって身を隠せそうにありませんから、水路を越えた右側の藪の中へ逃げるのが最も無難な選択かと思います。

 【キジ】はその水路に掛けられている桟の上を歩いて渡り出しました。桟の幅は8cm!
 てっきり飛び去るものと思いましたが・・・まさか歩いて渡るとは・・・しかしそこは幅8cm。キジにとっても不安と感じるようで、まさに『抜き足・差し足・忍び足』で急いではいるのでしょうが、時折下を見ながら慎重に慎重に渡っていきました。

 そんな場面に出くわし、その一部始終をよりによって私に見られていたキジには気の毒と思えてなりませんが、笑いが出るほど面白い観察でした。水路を渡り終えたキジはその後、ダッシュで藪の中に消えていきました。

 その一部始終を見終えての私の感想=『飛べば良いんじゃない?』


 【キジ】の雄は本当に凛々しく見えていたのですが、意外な一面を垣間見て、これからは微笑ましく見えるかも知れません。