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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

森吉山麓に県花咲く

2008年03月27日
秋田
 この時期に山地と平地の天候が大きく異なるなんて事は良くある事ですが、今日はそんな日でした。出発時の秋田市内は明るめの曇り空でしたが、森吉山麓に着いたときには小雨がパラついていました。昨日天気予報をチェックして「山は雨かもな・・」と予想していたので気落ちすることもなくカッパを着て歩き始めました。
 現在、森吉山麓高原へ向かう県道は昨年の豪雨災害で道路が崩落したり法面が崩落した箇所の復旧工事が盛んに行われています。その先の市道は冬期間除雪をしていないので現在でも平均しておよそ50cmほどの圧雪が残っています。日当たりの良い場所では路面が見えきているのですが、吹きだまりなどは未だに1m以上の雪があります。

 雪が残っている現在は道路の上であっても静寂に包まれます。聞こえるのはホオジロの囀り、カワガラスの鳴き声、アカゲラの鳴き声、水の流れる音、私が雪を踏みしめる音、これだけです!あとひと月もすれば車のエンジン音が加わるはずですが今は自然の中に身を置いている実感があります。
 雪国に住む私にとって時に厄介者に感じる雪も、山の中にあっては世界を一変させる最高の役者になります。こんな世界に浸れるのもあと僅かなんですね・・

 その世界の中で『春』を見つけました。所々地面が見えている場所に秋田県の県花【フキノトウ】が沢山顔を出していました。平地ではもう当たり前になった【フキノトウ】も山麓で見かける時期になったんですね~?

外側のつぼみが開いてそろそろ満開かな?

これで満開だと思いきや・・・

もう1段階ありました。これで満開ですね!

 花の咲き具合別に3段階の写真を載せてみました。1枚目が咲き始めで3枚目が満開でしょうか・・。一番外側にあるのが蕾で、それが開くと一つの大きな花が咲くのだと思っていましたが、よく見ると違いますね!小さな花が沢山集まっているようです。これから【フキノトウ】が見られる場所の標高も雪解けとともに上がっていきます。雪深い森吉山麓高原では5月半ばになってもまだ【フキノトウ】を見ることが出来るはずです。

 因みに秋田県人はこれを見て「あっフキノウトウだぁ」と言う人はまず居ません!!秋田では【ばっけ】とか【ばっきゃ】等と呼んでいます。
 最近よく耳にする秋田県人の会話は・・『やっぱり1年に1回はばっけ(ばっきゃ)食べねば春来た気しねなぁ~(^^)』です。先日、我が家の食卓にも”ばっけの天ぷら”がありました。私にとっては『春の味』です。