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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ゆきむし-その2-

2008年03月06日
秋田
 2月20日のこの日記で、雪の上でも虫が見られますよ。と言うことでセッケイカワゲラを紹介しましたが、先日も雪虫大発生でした。テレマークスキーで歩いていたのですが、彼らを避けて歩くのが大変なほど多くの雪虫がいました。その時の彼らは思い思いに行動しているように見えて、実は同じ方向を目指して歩いているように感じました。もしかしたら渡り鳥と同じように生きるための旅をしているのかも知れません。
 その旅の途中で、スキーを履いた人間が来たら飛んで逃げたらいいじゃん!と思うこともありますが、調べてみるとセッケイカワゲラには翅(はね)が無いか、痕跡翅があるに留まるようです。つまり飛べないと云うことです。実際に写真で見ても翅は見えません。腹部の節がハッキリと見えますよね?

【セッケイカワゲラ】・・・(だと思います。)腹部の節が確認できますね。

 しかしよく見ると翅(はね)のある雪虫もいます。それらはセッケイカワゲラよりも大きく、黒い脈の入った翅が見えて、腹部の節は見えていません。私には彼らが飛べないのかそれとも敢えて飛ばずに歩いているのか解りませんが、セッケイカワゲラと同じように歩き続けていました。

【オカモトクロカワゲラ】・・・(だと思います。)黒い脈があって暗褐色の薄い翅が見えますね。

 彼らは昆虫の分類では『せき翅目』と云うグループに属しています。彼らは有翅昆虫の中でも原始的な特徴を持つ一群だそうで、祖先として関連があると考えられている物は古生代の二畳紀(ペルム紀)の化石群に求めることが出来るのだそうです。と云うことはいくらかの進化や適応はしているものの遙か昔からから変わらず繰り返し行われてきた行動を目の当たりにしていることになるのか・・?などと考えると小さな昆虫がもの凄く力強い生き物に見えてしまいます。