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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ステップ7と8

2008年02月26日
秋田
 この日記で私が業務に必要な野鳥観察のスキルを身につけるべく、小さな一歩を積み重ねていこうという課程を野鳥観察のステップとして書いてきましたが今回がその4回目。ステップ7・ステップ8まできました。
 野鳥観察については、主に大潟草原鳥獣保護区の管理員さんに教えていただいているのですが、この辺りまで来ると『経験』『慣れ』と云ったキーワードが出てきます。

ステップ7『羽数を数える』
 双眼鏡で観ながら、鳥の種類ごとに数(羽数)を数えていく。←「簡単なことじゃん?」と言う声が聞こえてきそうですが、これが意外と、かなり難しいのです。なにしろ相手は動く動物ですし、おまけに羽が付いていて飛ぶ事も出来ます。更には水に潜る種類までいます。『じっとして!』なんて声は鳥には届きませんし、仮に届いたとしたら『あっ人間が来た!』と鳥に逃げられて羽数を数えるどころではなくなります。
 小さな群れであれば何度か数えていけば正確な数を把握することも出来るでしょうが数千羽・数万羽の群れであったり、飛び回り・動き回る鳥の群れは1から数えていたのでは効率が悪かったり、どれを数えてどれを数えていないのか解らなくなります。
 そこで『10羽の群れがいくつあるかを数えてみたら?』とアドバイスを頂きました。今はその方法に慣れるように努力中です。ヒシクイが採餌している時などは、その方法と1から数える方法の両方で数えています。まだまだ大変です・・・。

【マガモ】と【コガモ】の混群。何羽いるように見えますか?この日の私の記録には【マガモ】120羽に【コガモ】160羽と書いてありますが・・・。

そのうち【マガモ】だけに数字を入れてみました。結果は137羽でした。

おなじく【コガモ】だけに数字を入れてみました。結果は173羽でした。

この差を埋めるのが『経験』『慣れ』と言うことなのでしょうね・・。

ステップ8『細かな部位まで観察する』
 これはいつでも出来ることではないのですが、時々じっくり観察するチャンスというのがやってきます。鳥が近くにいて、私に気を向けずに自然に過ごしている時や、ジッとしてほとんど動かない時・・・等です。
 嘴・脚はもちろん、特徴的な羽、翼の内側などじっくり見ていくと『新たな発見』がいっぱいです。先日たまたま近くに【コガモ♂】がいて動かずジッとしていました。【コガモ♂】と言えば深緑色と茶色の頭部に白線が印象的なラインが入り、胴体は横に白と鮮緑色のラインがあり全体的な印象は灰色。胸は白地に黒斑があり、翼は茶色。と思っていましたが・・・

【コガモ♂】

 灰色と思っていた胴体も細かな模様がありましたし、茶色と思っていた翼も色の濃淡が観られます。それ以外にも『コガモの羽ってこうなっていたんだ!』と思うことがいっぱいでした。これまで【コガモ】を「地味なカモ」と云うイメージで捉えていましたが一瞬で払拭できた観察でした。
 これはコガモに対して『慣れ』を感じた弊害だったかも知れません・・。