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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

防御態勢

2008年02月19日
秋田
 東北地方環境事務所 秋田自然保護官事務所では(財)日本野鳥の会秋田県支部の協力と大潟村教育委員会の後援を得て3月9日に大潟草原鳥獣保護区とその周辺で野鳥観察会を予定しています。その業務で男鹿市に行った時に『折角、男鹿まで来たし途中の海岸の鳥も見れたらなぁ』と思いながら車を走らせていました。
 すると、とある海岸で『なんであんなにぴったりくっついてるんだ?』と思ってしまうカモの群れの塊を見つけました。

海岸のカモの塊。【マガモ】の群れに数羽の【オナガガモ】が混じっています。

 最初は『随分くっついてるな。なんでだろ?』と思って観察していたのですが、しばらくして彼らから得体の知れない緊張感のようなものが伝わり『あっ!何かを警戒して居るんだ』と思い、辺りを見渡しました。すると・・

カモたちを緊張させていたのはこの【ハヤブサ】でした。

 しばらく観察しているとハヤブサはカモの上でホバリングしたり急降下して揺さぶりを掛けていました。明らかにハヤブサは『獲物』を狩るつもりですし、カモたちは『命の危険』にさらされていました。
 「固唾をのんで見守る」とはこういう事なのでしょう・・・車内から一人ドキドキしながら観ていました。カモたちはハヤブサの揺さぶりに集団で素早く反応して、集団で防御しています。この攻防がしばらく続き『うわっどうなるんだろう』と更にドキドキしてきました。
 そこへ1台の車がやってきて彼らの近くに駐まった時、ハヤブサがスーッと何処かへ飛んで行って、そのドキュメンタリーは終了しました。

 私が観たのはハヤブサに襲われ、集団で防御しているカモの群れだったのです。結果的に人間の介入でカモたちの命は救われましたが、ハヤブサは食糧を確保できずに口惜しい思いをしたことでしょう。