東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

餌場の共有

2008年02月04日
秋田
 暦の上では「立春」と言うことですが、窓の外は雪が舞っていますし、例年であればこれから冬本番を迎えます。2月上旬は「横手のかまくら」など秋田の冬祭りが目白押しです。今年は何処に行こうかな?

 大潟村も一面の雪世界!山手線がすっぽり収まる広さの干拓地が雪でパックされています。場所によっても違いますが、管理棟周辺の積雪を見るとおよそ20~30cmと言ったところでしょうか?
 そんな中でも時々土や草が見えている所があります。そういった場所は決まって鳥が餌を採った場所です。ヒシクイやマガンが餌を食べた痕は水田や畦道に見ることが出来ますが、範囲が広い上に稲株や草が散らかっていることが多いので容易に「此処でヒシクイ達が餌を食べていたんだな」と想像できます。
 ヒシクイ達がひとしきり餌を食べてそこから飛び去った後には小鳥たちの姿を見る事が出来ます。

【ハクセキレイ】ヒシクイが飛び去った後に餌を採りに来ていました。

【ムクドリ】数羽のスズメも混じっています。色んな嘴の使い方をして餌を採っていました。

【スズメ】頭まで雪につっこんで餌を採っていました。

 そんな場所で良く目にするのがハクセキレイ・ムクドリ・スズメです。この3種の餌の撮り方に注目して観察しているとそれぞれが違った餌の採り方をしていました。私の観察した範囲での話ですので全てがそのようにすると言うわけではないことをお断りした上で・・
ハクセキレイは動き回っては、見つけた餌をつまんで、また次の餌を探して移動を繰り返していました。
ムクドリは嘴で色んな作業をしていました。雪を寄せたり、土を掘ったりと段取りをした上で餌を食べていました。
スズメは嘴だけでなく顔まで雪に突っ込んで餌を食べていました。「シャニムニ」とでも言いましょうか、餌を採るのに夢中になっていました。

 鳥たちにとって餌の調達が難しい冬本番ですが、大潟村内の貴重な採餌場所を上手に共有しているようです。そこで同じような餌を食べているようですが、食事スタイルは鳥によって色々です。