アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
ステップ5と6
2008年01月22日
秋田
これまで業務の中で傷ついた鳥は居ないか?今どんな種類の渡り鳥が居るのか?などと野鳥の観察を続けてきました。野鳥に関しては全くの素人であった私ですが鳥獣保護区管理員さんはじめ多くの方々の指導の賜物で少しずつ鳥の名前も覚え鳥獣保護区内の何所にどんな鳥が居るのかも徐々に分かってきて今、凄く野鳥観察が楽しくなっています。
総合学習の中で地元の野鳥を調べるために生徒を引率して鳥獣保護区に来ていただいた中学校の先生が、それをきっかけに野鳥に興味を持ち個人的に野鳥観察をしているそうで、時々情報交換をするのが嬉しく、また刺激にもなり私も休日を利用して野鳥観察に出かけるようになりました。
そんな私が野鳥観察をしていく上で教えていただいたことを自分なりに整理して過去2回この日記で4つのステップに分けて述べてきました。一応これまでのステップを整理すると・・
ステップ1「自分なりの探鳥地を持つ」
ステップ2「観察記録を付ける」
ステップ3「大きさの物差しを持つ」
ステップ4「野鳥観察に適した時間を知る」でした。
今日はその続編です。
ステップ5『一羽ずつしっかり観察する』
特にこの時期は渡り鳥が集団で飛来する地域では時に数万羽という単位で観察できるときがあります。大潟草原鳥獣保護区でも100羽単位で観察されることは珍しくなく1000羽単位で観察できるときもあります。
そんな時、「マガン多」とか「ヒシクイ大群」等と観察記録を付ける事があります。出来るだけ正確な数を把握しようとするのですが羽のある集団の数を正確に把握するのは容易ではありません。なので先ずは出来る範囲で集団を一羽一羽丹念に観察することにしています。そうすると時々大集団の中に紛れた別の種を見つけるときがあります。別の種を見つけたときはなんだか嬉しくなってしまいますが、逆に流して観察してそれを見つけられなかったとすると「そこにいるはずの種を見逃す」事になってしまいます。
【西部承水路のカワアイサの群れ】2007/12/25撮影。この集団にはミコアイサが6羽混じっていました。
【県立大学牧草地のマガン・ヒシクイの群れ】2008/1/18撮影。この群れの中には首環を付けたマガンが居ました。
ステップ6『鳥が居る(居た)場所も観察する』
最近読んだ本に「野鳥は自然の中で虫に次いでよく見ると事の出来る生き物」という記述があった。確かにそうだという実感があります。では鳥は何処に行っても見られのでしょうか?野鳥たちにしてもただ何となくそこにいると言うことはなく何か目的があってその場所にいるのです。
例えば、食事のシーンは特に興味深い物があります。シジュウカラなどの留鳥であれば季節によって食べ物が移り変わっていく事を知ることも出来ます。また今、大潟村で一番多く観察できるマガン・ヒシクイは積雪前は干拓地全域の水田の至る所で観察できましたが積雪の増えた現在は村の西部に集中して過ごしています。彼らの餌となる落ち穂、稲の根、雑草などを得るのに西部の風当たりの強い場所の方が雪を掘りやすい事が主な理由だと思います。
他にもねぐらとしている場所の観察、営巣地の観察も興味深いのですが、総じて広い視点が必要になります。野鳥を観察するには双眼鏡などを使って自然の一部を切り取って観察していますが『野鳥が居る(居た)場所の観察』にはその場所の植生であるとか、立地環境など時は地図を眺めることも必要になってきます。我々人間にも住みやすい環境があるように野鳥にも住みやすい環境があります。
【承水路のオオバン】2007/12/27撮影 ヨシ・ススキなど背丈の高い植物があって身を隠す事が出来る水辺で観察できます。(結氷すると移動しますが・・)
野鳥が観察できた場所を注意深く観察して、野鳥の好みや習性を知ることが野鳥保護・自然保護の第一歩になるのではないかと考えます。
総合学習の中で地元の野鳥を調べるために生徒を引率して鳥獣保護区に来ていただいた中学校の先生が、それをきっかけに野鳥に興味を持ち個人的に野鳥観察をしているそうで、時々情報交換をするのが嬉しく、また刺激にもなり私も休日を利用して野鳥観察に出かけるようになりました。
そんな私が野鳥観察をしていく上で教えていただいたことを自分なりに整理して過去2回この日記で4つのステップに分けて述べてきました。一応これまでのステップを整理すると・・
ステップ1「自分なりの探鳥地を持つ」
ステップ2「観察記録を付ける」
ステップ3「大きさの物差しを持つ」
ステップ4「野鳥観察に適した時間を知る」でした。
今日はその続編です。
ステップ5『一羽ずつしっかり観察する』
特にこの時期は渡り鳥が集団で飛来する地域では時に数万羽という単位で観察できるときがあります。大潟草原鳥獣保護区でも100羽単位で観察されることは珍しくなく1000羽単位で観察できるときもあります。
そんな時、「マガン多」とか「ヒシクイ大群」等と観察記録を付ける事があります。出来るだけ正確な数を把握しようとするのですが羽のある集団の数を正確に把握するのは容易ではありません。なので先ずは出来る範囲で集団を一羽一羽丹念に観察することにしています。そうすると時々大集団の中に紛れた別の種を見つけるときがあります。別の種を見つけたときはなんだか嬉しくなってしまいますが、逆に流して観察してそれを見つけられなかったとすると「そこにいるはずの種を見逃す」事になってしまいます。
【西部承水路のカワアイサの群れ】2007/12/25撮影。この集団にはミコアイサが6羽混じっていました。
【県立大学牧草地のマガン・ヒシクイの群れ】2008/1/18撮影。この群れの中には首環を付けたマガンが居ました。
ステップ6『鳥が居る(居た)場所も観察する』
最近読んだ本に「野鳥は自然の中で虫に次いでよく見ると事の出来る生き物」という記述があった。確かにそうだという実感があります。では鳥は何処に行っても見られのでしょうか?野鳥たちにしてもただ何となくそこにいると言うことはなく何か目的があってその場所にいるのです。
例えば、食事のシーンは特に興味深い物があります。シジュウカラなどの留鳥であれば季節によって食べ物が移り変わっていく事を知ることも出来ます。また今、大潟村で一番多く観察できるマガン・ヒシクイは積雪前は干拓地全域の水田の至る所で観察できましたが積雪の増えた現在は村の西部に集中して過ごしています。彼らの餌となる落ち穂、稲の根、雑草などを得るのに西部の風当たりの強い場所の方が雪を掘りやすい事が主な理由だと思います。
他にもねぐらとしている場所の観察、営巣地の観察も興味深いのですが、総じて広い視点が必要になります。野鳥を観察するには双眼鏡などを使って自然の一部を切り取って観察していますが『野鳥が居る(居た)場所の観察』にはその場所の植生であるとか、立地環境など時は地図を眺めることも必要になってきます。我々人間にも住みやすい環境があるように野鳥にも住みやすい環境があります。
【承水路のオオバン】2007/12/27撮影 ヨシ・ススキなど背丈の高い植物があって身を隠す事が出来る水辺で観察できます。(結氷すると移動しますが・・)
野鳥が観察できた場所を注意深く観察して、野鳥の好みや習性を知ることが野鳥保護・自然保護の第一歩になるのではないかと考えます。