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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

【実施報告】観察会:紅葉の赤水渓谷散策

2007年10月15日
秋田
 昨日の日曜日に森吉山麓を舞台にした今年最後の観察会を行いました。週の半ばまでの天気予報はその日だけピンポイントで雨でしたが、前日の予報では晴れ!当日も現地に向かう車窓に朝日が眩しく入り込む絶好の行楽日和となりました。
 参加者は40名。9歳の少年から71歳の元気な方まで幅広い層から参加していただきました。幅広いと言えば今回は東京都府中市からもご家族で参加して頂きました。「テレビで放送された赤水渓谷がとてもすばらしく是非行ってみたい」との思いでわざわざこの観察会のためにお越し頂きました。県内から参加した方々も「ず?っと行ってみたかった」とおっしゃる方が大勢いました。改めて私は良いところで仕事してるなぁ?なんて思ってしまいました。

 まずは3班に分かれてブナの森を歩き6月の観察会で行った桃胴の滝がある桃胴沢とこの日の目的地である赤水沢の合流点を目指します。森の紅葉は3分程度でしょうか?ようやく色づき始めたカエデやウルシの朱赤が目をひきます。歩道の脇には名残を惜しむようにトリカブトとリンドウがどちらもたった1輪咲いてました。

皆さん念願の赤水渓谷を楽しみに歩いていきます。

 沢の合流点からは赤水渓谷沿いの歩道へ!この日は「天国の散歩道」と賞される赤水渓谷に人気が集中!渓谷の紅葉を見ようと多くの人が向かっていきます。やや道悪の歩道を進み、入渓前の滑りやすい1枚岩を慎重に下るとそこには森吉を代表する景勝地が待ってます。

赤水渓谷に降り立つとこの光景が目に入ります。

 渓谷はとても穏やかで気持ちの良い風が流れ、カワガラスの鳴き声も心地よく響きます。渓谷沿いの斜面には色づいた葉が見え、その赤や黄に混じって針葉樹の常緑や空の青や水面の輝きも全てが主役級の美しさです。もう何処を見て良いのか迷ってしまいます。こういう時、自分のボキャブラリーの無さに情けなくなりますが、きっとどんな言葉を使ってもこの美しさは形容しきれないのだろうと思います。
 でもそこは渓谷ですから、上ばかり見ているわけにはいきません。赤水渓谷には大小数多くの甌穴があって中には背丈を優に超える深さの物もあります。それ以外にも深みもありますから十分に注意が必要です。

浅瀬を選んで進んでいきます。


足下に気をつけながらも目線は自然に上へ・・


赤水渓谷は一枚岩が浸食されて出来たU字状の穏やかな渓谷です。

 天国の散歩道とは良いコピーを付けたものだと感心しますが、同時に納得もします。自然に顔がほころび笑みが溢れ、気分は穏やかになり時間がゆっくり流れるような錯覚をおこします。「えっもう帰る時間なの?」という声が聞かれましたが、後ろ髪を引かれつつ帰路へとつきました。

皆さん満足げに帰路につきました。

 少し気が早いですが、来年もまた魅力たっぷりの森吉山麓で観察会を実施する予定です。秋田自然保護官事務所一同、皆さんとお会いする日を楽しみにいたしております。