東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

地元の中学生

2007年09月10日
秋田
秋田自然保護官事務所の足利直哉です。

 先週木曜日に森吉山鳥獣保護区のある北秋田市の鷹巣中学校1年生4名が引率の先生1名と連れだって野生鳥獣センターに来所されました。「郷土の自然」をテーマにして取り組んでいる彼らが、自分たちの学校の校歌にも歌われている森吉山にはどんな動物や鳥や昆虫が住んでいるのか調べる目的です。
 まず私が『森吉山周辺の自然環境や森吉山鳥獣保護区について』概要を話して、センターの案内解説員から館内の展示物やよく見られる動物や鳥の話をしてもらいました。はじめ緊張していた生徒達ですが徐々にうち解けてきます。一緒に館内の展示物を見て回る時には会話もスムーズになっていました。
 来月の下旬にはこれまでの学習成果と今回の見学などを踏まえて発表する機会があるそうで、熱心に質問したり、生徒同士で「これもメモした方が良いな!」とか「ここも写真撮っておいて!」等と発表資料作りを見据えて熱心に取り組んでました。多分教室で見せる顔よりもイキイキしていたのではないでしょうか?

案内解説員の佐藤が館内の展示物・施設の説明をしました。

 この日は天気も良かったので森の散策もしました。周辺の森にもキツツキたちが採餌した枯木があります。生徒達はその穴に指を入れて『すっと下まで続いているよ』とか『この穴にキツツキが嘴を突き刺して、舌で虫を捕まえたんだね』等と早速体験学習です。そこで私が『クマゲラが営巣できそうな木を探してみよう』と課題を出しました。地元の研究者達によるとクマゲラは「ある程度の太さと高さがあって、低いところに枝が無く真っ直ぐで、風が吹き込まない方向に開けた空間がある場所にあるブナ」を選ぶそうです。すると早速「あれなんて良いんじゃない?」とある生徒が言えば『周りの木が混んでいるからダメだ』と別の生徒が言い、またある生徒が『これは周りに木がないし太いから大丈夫じゃない?』と言えば『右の枝がなければ良いんだけどな?』と別の生徒が答える。『自然がイッパイのように見えるけどクマゲラ目線ではそうじゃないんだな・・』といった感想が漏れます。そうなんですよね・・人間は自分たちの感覚で色んな事を言い、行動してしまうけど鳥や動物の感覚になればいつもの森も違って見えてくるのです。豊かに見える森も人間が自分本位の利用をすれば動物や鳥の命を危険さらす可能性だってあります。この生徒達には私の言いたかったことが伝わったようで嬉しかったです。

みんなでセンター周辺の森を散策しました。

 しかし残念なことにキツツキたちが採餌した枯木の根元に空瓶が落ちていました。一人の生徒に拾って貰ったのですが、瓶を私に渡す時『誰だ!キツツキの大事な餌場にゴミを捨てるのは!許せない!!』と怒っています。その後も飴の包み紙などを拾いましたがその都度腹を立てています。『ここでクマゲラが餌を食べられなくなったらどうするんだ』『クマゲラが住むこの森を汚すんじゃない』と・・・
 私の話のまとめとして『クマゲラの棲むこの森は北秋田市が全国に誇る日本の宝物だからみんなで大切にしていこう』と言ったのですが日本の宝はそれだけではなかったようです。この生徒達も『北秋田市が誇る日本の宝物』です。