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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

高場森にて

2007年08月31日
秋田
 秋田自然保護官事務所の足利直哉です。今日で8月も終わり!森吉では夏の終わりと秋の始まりが混じり合い、季節の移ろいを感じることが出来ます。

 そんな中、火曜日に高場森へ巡視に行ってきました。高場森は標高900m、森吉山本峰から遠くはずれ、登山者の姿を見る事はほとんどありません。しかし高場森は643haの広い範囲に、通常標高650m前後が分布域とされる天然杉が広がり『桃洞・佐渡のスギ原生林』として天然記念物に指定されている隠れた名山です。花粉症の原因として悪者扱いされているスギですが、標高850~900mに自生するスギの大木には言葉を失います。

天然スギ・胸高直径は約90cm、樹高は25m前後です。

高場森の北側には、トウド沢が複雑に入り組み、手つかずのブナ林が豊富な鳥獣保護区の特別保護地区が広がります。この森の中からはクマゲラをはじめとするキツツキたちのドラミングの音が心地よく響き渡ります。そんな森の向こうには、十和田八幡平国立公園の八幡平エリアが望めます。焼山(1366.1m)や八幡平(1613.3m)、畚岳(1577,8m)を眺めて的確な名前を付けたものだと感心していました。焼山は今も火山活動を続ける荒涼とした山肌が見えるし、八幡平はなだらかに広い台地状の姿だし、畚岳も確かにそこだけこんもりして※注モッコのようです。それをゆっくりと見ていたら、そこに人が横たわっているように見えてきた!同行していた畠山レンジャーに「あの辺り、人の顔に見えませんか?」と聞いてみたら「本当だ、なんか観音様にも見えるな」と・・そう言われるとさっきまで鼻筋の通った綺麗な女性を思い描いていたのに観音様に見えてくるから不思議です。(少なくとも我々にはそう見えていました)

あの山々では鹿角自然保護官事務所のAR大堀さんが活躍してます。

目線を南側に移していったんですよ・・・すると!

あえて写真に細工はしませんでした。いかがですか?見えますか?

もしかして・・・このクマゲラが棲む豊かな森も、天然杉が分布する奇跡の森もこの観音様が見守っていてくれたから?全く信心のない私がそんなことを思うなんて!と自分でもちょっと驚きましたが、後世に残していかなければならない自然の中に今、自分が居るのだと感じ、アクティブレンジャーとして出来ることを精一杯やっていこうと決意を新たにした巡視でした。

※注:モッコとは土木工事や農作業時に土や砂を運搬するのに用いた、縄などを網状に編んで四隅に釣綱を付けた物で、そこに2本の棒をさし、前後二人で担いだ。