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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

【実施報告】自然観察会『森吉山麓高原ブナ林で森林浴』

2007年08月21日
秋田
秋田自然保護官事務所のアクティブレンジャー足利直哉です。
8月19日(日)森吉山麓高原で自然観察会「森吉山麓高原のブナ林で森林浴」を実施しました。

 この日起きると窓の外からは激しい雨の音。もう一度寝ようかと思ってしまったほどでした。思い直して出かけましたが観察会には秋田市から参加する方も多数。当日になって欠席者が出てしまうのではないかという不安が・・・(残念ながらその不安は的中しました)
しかし、秋田峠を越えて森吉山のある北秋田市が近づくと雨は止み、道路は乾いていました。野生鳥獣センターが近づくと雲間から僅かに青空も除いています。明るい兆しに迎えられて森吉山麓高原に到着しました。

 34名の参加者が集まり、畠山レンジャーが観察会のリーダー・スタッフを紹介し、コースの概要・注意事項を説明して観察会が幕開け。その後森吉山荘さんのご協力で、一同バスに乗って黒石川林道とノロ川登山道の出会いまで移動。降りたところで3班に分かれて順次歩き始めました。

森吉山野生鳥獣センターのレクチャー広場でオープニング

登山道入口で各班に分かれて散策・観察会開始です。

 空は雨を堪えていましたが、曇天独特の生温さを感じていましたが、驚いた事にブナ林に入った途端蒸し暑さが消え去り、風も無いのに汗が引いていくのが解ります。ブナ林にはエアコンのドライ機能が付いているようです。皆さんも「いや?涼しな!」「山の中さはエアコン効いてるな!」と涼しさを実感している様子でした。※「 」内は秋田弁でお読みください。


大きな森の懐に潜り込んでしまったような錯覚さえ覚えます。

 この日、印象的だったのがキノコ。登山道沿いには色々なキノコが顔を出していましたが、中でも真っ赤でツルツルしたキノコと褐色の大きなキノコが目を引きました。私の印象は間違いなくどちらも毒キノコ!!しかも猛毒に違いない!!と思ったのですがなんと・・食べられると言うではありませんか!!もう話題はそのキノコに集中。赤いキノコはタマゴダケ。毒キノコの代名詞のようなテングダケ科のキノコですがこれは肉厚で美味いらしい。褐色のキノコはアカヤマドリ。美味と言うほどではないが食べ応えのあるキノコだそうだ。
そうは言っても誰も採ろうとはしない。だってねえ・・・苦笑

<タマゴダケ>
「これを食べる勇気はない」と言う方が大半でした。

<アカヤマドリ>
小学生の男の子は「メロンパン」と呼んでました。なるほど・・・

 結局、雨は持ち堪え無事に観察会は終了。この日一日、さわやかなブナ林や印象的なキノコを見ながら一緒に歩いてすっかりうち解けた参加者同士が連絡先を交換しあう姿に心が温かくなった一日でした。
『注意』キノコは自己判断せず必ず詳しい方に確認してもらってから食べるようにしましょう!!

 尚、東北地方環境事務所のHPにも観察会の報告記事があります。併せてご覧ください。