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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

井戸岳植生復元

2007年06月25日
十和田
北八甲田の井戸岳の南斜面は、かつて人々の踏み荒らしによって植生が荒廃してしまい、植生回復のために土留めや植生マット張り等が行われています。現在は、八甲田地区パークボランティアの方々を先頭に、環境省や青森県等、関係者が集まって協議会を作り植生復元作業を行っています。
6月23日、昨年と一昨年に施工した場所がどのようになっているのかを確認するためにパークボランティアの皆さんと現地に行きました。
酸ヶ湯の登山口から登り、毛無岱を通って大岳ヒュッテへ。
毛無岱では、イワイチョウ、ミツガシワ、イワカガミなどの花を楽しみつつ、木道の簡易な補修も行いながら歩きました。

ミツガシワ


木道補修を行うPVの皆さん

春の花のピークは先週あたりだったようで、チングルマは花びらを散らし花柱が伸び始めているところでした。

チングルマ


植生復元箇所に到着すると、今年もまたうれしい発見がありました。
植生マットの隙間から、ミヤマキンバイ、ミヤマオダマキなどが顔を出し、花を咲かせていました。
パークボランティアの皆さん達と一緒に、一生懸命作業した成果が、少しずつですが花を咲かせ実を結んできています。



ミヤマキンバイが顔をのぞかせていました。


元の状態に戻るのにはまだまだ時間がかかります。
一度失われてしまった自然を取り戻すのは簡単ではありません。
山を登る時には足下の草花を大切に思いながら登ろうと改めて思いました。