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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

春の再会

2024年04月09日
宮古 池田 理恵
こんにちは。
宮古自然保護官事務所改め、三陸復興国立公園管理事務所の池田です。
宮古自然保護官事務所は4月1日から名称が変わり、三陸復興国立公園管理事務所となりました。体制を強化して職員一同業務に取り組んでいきますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 
さて、先週、危険木や施設の破損箇所の確認も兼ねて浄土ヶ浜周辺の巡視に行ってきました。
頭上に枯れ枝がないか上を見ながら歩いていましたが、首が疲れてふと足下を見るとたくさんのカタクリの葉が出ていました。中には一足先に開花している株もあり、近くにはタチツボスミレも花を咲かせていました。
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△カタクリ
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△タチツボスミレ
この日は防寒具を忘れて冷たい風に耐えながらの巡視でしたが、1年ぶりに見る春色の可憐な花に癒やされました。
他に咲いている花がないか期待して歩いていると、周囲から明らかに浮いている禍々しい雰囲気を放つキノコが1本だけ生えていました。毒きのこのシャグマアミガサタケです。
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△上から
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△横から
図鑑ではよく「脳状」と表記されていますが、この個体はどうでしょうか。
全体的にしわが少なく脳みそらしさは今ひとつといったところ。ただし頭部の幅が8cm程と大きく迫力がありました。

1年前に着任したばかりの時にもシャグマアミガサタケを見たのですが、その際は会って間もない職員と一緒に歩いていたので素通りしてしまいました。
しばらくして確認しに行ったのですが、もうその姿はありませんでした。それ以来またあの薄気味悪いキノコを見たいと待ち望んでいたため、とても嬉しい再会でした。

巡視後寝ても覚めてもシャグマアミガサタケのことで頭がいっぱいだった私は3日後に様子を見に行きました。
乾燥してしぼんでいるかと思ったのですが、予想とは裏腹に無惨な姿で転がっていました。頭が重かったのか、自重で根元から折れてしまったと思われます。異彩を放つシャグマのこんな哀れな姿を見たくはありませんでした。
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△根元から折れる悲劇
今現在ではカタクリやスミレの他にアズマイチゲとキクザキイチゲが咲き始めました。花に誘われハナバチも活動を始めています。海岸の景色を見た後は森の中へも足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。