東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

森の小さなおかし

2023年11月01日
鹿角 戸澤 綾子
過日、十和田八幡平国立公園 乳頭温泉郷で「紅葉のブナ林ハイキング観察会」と題した自然ふれあいイベントを開催しました。

乳頭温泉郷には7つの温泉が湧いています。それぞれ泉質が異なり、風情のある佇まいもあり、たいへん人気があります。その温泉を巡るようにハイキングコースがあり、今回のイベントは、そのコースを約2時間半かけて、自然を観察しながら歩くという内容です。ガイドしてくださったのは、南八幡平地区パークボランティア ホシガラスの会のみなさん。
森
ブナなどの木立の中をゆっくりと歩きました
このハイキングコースは美しいブナの林です。この林はかつて伐採された後に成立した二次林で、樹齢は60~90年。中には伐採されずに残った巨木もあります。

今回は大きい物ではなく、小さい物をご紹介します。
森
モエギビョウタケか
落ちた朽ち木にびっしりと黄色いものが付いています。ひとつの黄色の玉は直径2ミリ、高さ1ミリほど。薄暗い森の中でもかなり小さいのにとても目立つ。鮮やかさで存在感はピカイチ。
森
ハリガネゴケか
お次は、手触り感ふっくら度No.1のこちらのコケ。こちらも朽ち木を覆い尽くしています。水分を含み艶やかで目に優しい色合い。ツンツンと飛び出たはりがねのような物の感触も気持ち良し。見ても触っても和ませてくれます。
森
シラウオタケか
こちらはゆらゆらと森で踊るダンサーたち。身長2cmほどでしょうか。ムーミン谷に棲むあのキャラクターとは親戚か、と思わせる姿。愛らしくもあり、どんな動きをするか読めないところに不気味さも感じるかも。

タイトルの「おかし」は古典文学で使われる「趣がある」や「かわいらしい」の意味でした。涎の出るようなものを想像した方、ごめんなさい。

森の中には「おかし」がたくさんありますよ。自分の「おかし」を探しに来てください。