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東北環境局

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

樹木医と歩く森の観察会を行いました。

2026年10月20日
秋田 天野 史寛

樹木医と歩く森の観察会を行いました。

こんにちは 秋田自然保護官事務所の天野です。
10月17日(土)に森吉山野生鳥獣センターで「樹木医と歩く森の観察会」が開催されました。樹木医である吉田様を講師に開催された樹木観察会。今回は8名の方にご参加いただきました。

少し肌寒かったですが天気にも恵まれた気持ちの良い朝。
早くも開始時刻の10:00が楽しみで待ちきれません。
準備体操
出発
全員で準備体操をしてセンターを出発!
クマ鈴の音を響かせながら森へ入っていきます。

早速赤く染まった植物を発見。触ると2週間はかぶれるというツタウルシでした。
道中に落ちていたのは黄色くなり始めていたオオバクロモジの枝。みんなで分けて香りを楽しみました。
クロモジの枝の切り口に鼻を近づけるとすっきりした香りが広がってきます!
皆さんも落ちている枝を見つけたら是非においを嗅いで見てみてください!

紅葉の仕組み

なぜ秋に赤くなる種類と黄色くなる種類がいるのでしょうか。
・ブナのように黄葉になる種類は、クロロフィルという葉緑素が分解されて、黄色のカロテンが残るため。
・赤く染まるオオカメノキなどの種類は、緑色色素のクロロフィルを分解する際に赤色色素であるアントシアニンが生成されて赤く染まるそうです。

美しい見た目の中はとても不思議です。。
他にも、落ち葉が茶色い理由や木本と草本の違いなどの解説を聞きながら林道を進みます。
ツタウルシの解説
オオバクロモジ

倒木更新

・倒木更新とは倒木に種が落ち、芽吹き成長していくこと。森吉のような豪雪地は特に、倒木という養分が豊富であることに加え、地面の一段上から成長を始めることで周りより先に春の日を浴びることができ、雪腐れなどもしにくく成長に有利なのだそう。
 今回は実際に芽が出でいる倒木と、そのような状態から成長したと思われる木を観察。地面付近にはかつて倒木が横たわっていたことでできた隙間を見ることができました。

自然は無駄なく廻っていて、その一部を実際に見ている感覚でした。すごい!
倒木更新(沢山の芽が出ている)
倒木更新によって成長したと思われる木の根元

自己剪定

・大きな木は高く長く伸びる幹に枝が無い。幼木のときは低い位置にも枝が生えているはずなのになぜだろう。幹には枝があった跡も残っています。
 木の生長点は幹や枝の先端にあるため、上が徐々に伸びる。上が成長し不要になった低い位置の枝を付け根から落とす。酵素を作り自ら不要な枝を落とすこと。これを自己剪定と呼びます。
自己剪定によって落ちたと思われる枝を実際に見つけました。確かに窄んだような断面をしていますね!
樹皮に残る自己剪定の跡
自己剪定によって落ちた枝
全ては紹介しきれませんが、他にも単葉と複葉の違い、なぜ森吉で板根がみられるのか、木には心はあるのか、菌とのつながりについてや、参加者さまからの質問にも答えていただきながら楽しい散策の時を過ごしました。2時間ほどの短い時間ではありましたが、皆さんたくさんのお話を聞くことができ、森の一部について知ることができたのではないでしょうか。 

私はとても楽しいあっという間の時間でした。
興味を持つことで広がる世界を、今日もまた体験することができました。
単葉と複葉
大きなハリギリの木を見上げる
触れて学ぶ

午後は「樹木解剖模型作成」のクラフト体験イベント。

観察会の講師もしていただいた吉田さんに教えていただきます。

樹木解剖模型では、枝の分岐している内部の構造や、木が自ら空洞や傷を補強しようとして、傷口の両側から内側へと新しく肉が巻き込むように肥大して成長した(ラムズホーン)の跡などが確認することができます。

木も自分で傷口を直し、塞ごうとする仕組みは植物も生きているということを改めて感じられます。
解剖模型
ラムズホーンの解説
吉田さんに用意していただいた木の中から好みの枝を選び、作成に臨みます。
中身を想像してカットする箇所を決め、のこぎりで細い枝を切っていきます。
普段あまり使うことのないノコギリでの作業でしたが、吉田さんに手伝っていただきながら皆さん上手に形を作っていきます。
ノコギリでカット
難しい箇所は吉田さんと協力
カット出来たら穴をあけ、ばらばらにならないように紐を取り付けます。
学名を書いた札を取り付ければ、世界で一つだけの作品が完成です!

10月のフロア展示

今月は、観察会・クラフト体験イベント共に講師をしていただいた吉田さんの作品を展示しております。様々な作品があり、どれも心惹かれるものばかりです。皆様ぜひ森吉山野生鳥獣センターにお越しください!
樹木作品展

【今年もそろそろ閉館の時期】

今年の観察会は今回が最後となりましたが、来年度も様々な観察会を行いますので興味のある方のご参加お待ちしております!

森吉山野生鳥獣センターは6/1~10/31が開館期間となっております。
10月も半分を過ぎ、今年の開館期間は残りわずか!
紅葉シーズン真っ只中の今、黄色に彩られた森の中で皆様のご来館をお待ちしております。