東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

カモシカ企画展のお話し会、講演会

2025年09月01日
十和田八幡平国立公園 中園 顕三
こんにちは! アクティブ・レンジャーの中園です。
前回、紹介しました十和田ビジターセンターのカモシカ特別企画展は大好評で終えました。
今回は、8/9と8/10に行われましたイベント「お話し会」「講演会」の模様をお伝えします。
開会前
開会前に寄ってくる子どもたち
お話し会開始
8/9は子どもさん向けのお話し会、テーブルには動物のぬいぐるみと頭骨などが置いてあり、子どもたちは会場に入るなり興味津々に近づいてきて質問攻めにします。開会前にもかかわらず、丁寧に受け答えをする講師の磯山さん。サービス精神に溢れています。
 
美しいスライド写真を見せながら、講師が今まで追ってきたカモシカ(すべて名前があります)のことを物語のように話します。併せて、カモシカの生態についての基礎知識も押さえます。一人の子どもが少し落ち着かなくなってきたのを見計らって、テーブルの上にあるものを手に取って見せます。子どもを集中させるために、道具を使いながら喚起をつけるところは見事です。
頭骨
頭骨を手にして解説
カモシカと鳥
カモシカと鳥の関係について問いかけ
さらに、カモシカの背中に鳥が乗っている写真を見せて、子どもたちに問いかけます。
「この鳥はカモシカの毛をついばんでいるように見えるけど、なぜだと思う?」
一人の子どもがすぐさま手を挙げて発言します。(反応が素晴らしい!)
一回目は不正解でしたが、すぐに二回目の発言で正解を得ました。(発想の転換も素晴らしい!)
集まる子どもたち
お話し会が終わっても集まる子どもたち
集合写真
お別れの集合写真
大盛況で終わった8/9のお話し会。翌8/10には大人対象の講演会がありました。
基本的には同じ流れでしたが、さらに詳しい解説を加えながらカモシカの物語を進めます。
講演会終盤は、今までの調査結果とカモシカの現状に話が移りました。
 
カモシカは1955年に国の特別天然記念物に指定されており保護の対象ですが、現在ある13の保護地域以外では限定的に捕獲が行われており、保護管理に地域差があるのが現状です。全国有数のカモシカ生息地であるむつ市脇野沢においても、決して看過できない状況だと話されていました。
成長記録
カモシカの成長記録
全国分布
二ホンジカの全国分布
近年、二ホンジカの分布が全国的に拡大している状況があり、そのことがカモシカの生態に影響している可能性があるという観点から、十和田市の奥入瀬渓流域でのセンサーカメラ調査について話をする機会を頂きました。
対談
参加者と対談
講演会後
講演会後も対談は続く
最後は、今回の企画展を作り上げたビジターセンター職員の中川さんと講師を交えて、参加者からの質問を受けながら対談?という形で講演会を終えました。
講演会後も対談は尽きず、そこは前日の子どもたちの様子と変わらないのが、何とも心温まる気持ちになりました。
ご参加いただいた方、本当にありがとうございました。