東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

朝日連峰 モニタリング調査・施設点検巡視

2025年11月14日
羽黒 守屋明子
10月2日(木)~4日(土)にかけて、朝日連峰において植生復元モニタリングおよび施設点検のための巡視を行いました。
日暮沢登山口から入山、1日目は狐穴避難小屋まで。稜線から徐々に下りてくる紅葉が、登っていく私たちを迎えてくれるようでした。
朝日連峰
まだ緑濃き樹林帯
朝日連峰
稜線に近づくにつれ名残の高山植物が(エゾオヤマリンドウ)
朝日連峰
色づき始めたカエデ類も顔を出すように
朝日連峰
稜線に出ると錦秋の世界(竜門山避難小屋)
朝日連峰
まだ残っていたタカネマツムシソウ
朝日連峰
コイワカガミは季節の先取り?
2日目、早朝に発ち稜線を北上して環境省直轄施設の以東岳避難小屋へ向かいました。以東岳避難小屋は北側の泡滝口からが最短ルートですが、9月の豪雨によってアクセス道が通行止めとなったため(小屋閉め後の10月末に復旧)、南側からアプローチしました。
途中の中先峰では、植生復元モニタリングを実施。2023年9月の合同保全作業の施工地の変化や推移を確認・記録しました。
朝日連峰
中先峰
朝日連峰
モニタリング中
以東岳避難小屋では夏の間に交換したトイレの換気扇等の点検、アクセス道の通行止めの情報掲示を行いました。
朝日連峰
秋色に染まる以東岳と大鳥池
朝日連峰
新しくなった換気扇
私たちが滞在した時間帯は管理人の方は不在でしたが、泡滝口の通行止め期間は、他の登山口から遠回りをして、できる限り週末の常駐を継続したとのこと。この後、三方境へ戻った時に、日暮沢口から以東岳避難小屋に向かう小屋番さんに会うことができ、その想いに感激しました。
朝日連峰の避難小屋は、どの小屋も毎週麓から通っている方々によって、綺麗に管理されています。
 
以東岳避難小屋で一仕事終えた後、三方境まで引き返し。移動中には2013年に設置した標識を点検。
朝日連峰
絶景を眼下にしている標柱
朝日連峰
1本1本、お疲れ様と声をかけています
三方境では植生復元モニタリングと、植生保護箇所周辺の誘導ロープ張りを行いました。
三方境は、2007年~2009年に行った磐梯朝日国立公園朝日地域登山道調査業務において、風衝地の保全修復・植生復元の実証事業の植生復元作業(保全修復作業)が行われて以来、合同保全作業として複数回保全作業が実施されてきています。
朝日連峰
三方境
朝日連峰
植生への侵入防止箇所と歩行路を分けるロープ
朝日連峰
ロープ設置中
植生復元モニタリングでは堆積した砂の模様から、激しい降雨が山域に影響をもたらしていることが見て取れました。
朝日連峰
砂に流水の痕跡
朝日連峰
三方境上部の様子
モニタリング箇所の記録がすべて終わった頃には、夜のとばりが下りようとしていました。
朝日連峰
モニタリングを見守ってくれた雄大な以東岳
朝日連峰
その光景が影絵になりました
最終日は下り坂の天気に追われるように下山。来た道は、たった2日間でも着々と紅葉が進んでいました。
自然の変化は現場にいないとわからないと、改めて感じさせられました。
朝日連峰
さわやかな秋の朝の以東岳と狐穴小屋
朝日連峰
朝日に輝く木道が狐穴小屋から稜線へ続く
朝日連峰
同じ磐梯朝日国立公園の月山
朝日連峰
月山の左奥には鳥海山 兄弟みたいです
朝日連峰
進んでいた紅葉越しに稜線を振り返る
朝日連峰
足元にはきらめくマイヅルソウの実
朝日連峰
タカネナデシコの華やかさにはっとする
朝日連峰
樹林帯で遭遇