東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

コウモリ観察会を開催しました!

2025年07月17日
秋田 大亀那月

観察会の開催

こんにちは 秋田自然保護官事務所の大亀です!
7/19に森吉山野生鳥獣センターにてコウモリ観察会を開催いたしました。
講師:NPO法人コウモリの保護を考える会 作山さんと峰山さんです

会の前半は室内にてコウモリの生態や秋田県の生息する種についてお勉強しました。
コウモリの種数は哺乳類全体で見ても多く、
日本国内では(研究者によって意見はバラバラですが)37~41種ほどだとされています。
なんとネズミなどのげっ歯類の次に多いのがコウモリなのです!

では皆さんはそのコウモリの体を、見ないで描くことができますか?参加者に紙とペンをお渡しして描いてもらいました!
大人も子供も、みんな羽や耳などの特徴が良く描けていました。後ろ足や尻尾ってどんなだっけ?とこれはうろ覚えなご様子…それも踏まえ、講師の作山さんから体の構造について解説いただきました。

後半は屋外にてコウモリ探しです。
コウモリの探し方は、超音波をキャッチして人が聞き取れる音にしてくれるバットディテクターを使います。
この超音波は仲間とのコミュニケーション、障害物や獲物を認識するために、口または鼻から発せられます。
 
コウモリを書いてみよう
見ないで描けるかな?みんなで挑戦!
参加者が書いたコウモリ
参加者のみなさんのコウモリ。指や羽、大きな耳が目立ちますね。
コウモリの体
本当のコウモリの体を解説。
コウモリの超音波の説明
コウモリの超音波とバットディテクターの解説
屋外に出て、実際にバットディテクターの使い方をレクチャーしていただきます。
コウモリは種によって周波数が異なるので、ダイヤルを20~60kHzに合わせて探すとどこかで超音波をキャッチできます。

森に入る前に、頭上をコウモリが飛んでいくのを見つけました。
狩りに出かけるいい時間帯なので、巣から飛び出してきたところのようです。バタバタと慌ただしそうに羽ばたいているのを観察できました。
バットディテクター
バットディテクターの使い方をレクチャー。日没以降から採食のためコウモリが活発に飛び始めます
日没後の空にコウモリ
日没後の空を飛ぶ、巣から出てきたコウモリを観察中
森の中に設置したハープトラップ(コウモリを捕獲するトラップ)
これは飛んできたコウモリがハープのような糸に当たると下の捕獲袋に落下する仕組みです。袋はビニール製で、返しもついているので出られないようになっていますが捕獲時のダメージが少ないトラップです。

バットディテクターを観察地点で使用すると、早速反応が出ました。
種によって多少周波数は異なりますが、それでぴったり〇〇コウモリだ!とは識別しにくいのが現実です。
分かりやすいのは65kHz ~70kHzを出すキクガシラコウモリで観察会でも確認できました!
他には、20kHz前後の種も確認できました。
音がするほうを見ると、狩りをする姿を目視できました。そこそこ大きかったですがあの子は誰だったのか…

毎年、コウモリ探しが終わった後は先ほどのハープトラップになにか捕えられていないか確認するのですが
今年はなにもいないようでちょっと残念(′・_・)
ですが作山さんの手の中からコロンと出されたのはクワガタのメス!

最後は閉会のあいさつとクワガタと別れを告げ解散となりました。
講師の皆様、参加いただいた皆様ありがとうございました。
コウモリを捕えるハープトラップ
視覚に頼らないコウモリはトラップに気づかず捕獲されます※捕獲は特別な許可を得たうえで実施されております
暗闇の中コウモリ探し
夜の森で探検気分。コウモリを目で見ることもできました♪
クワガタ
今年のハープトラップにはコウモリではなくクワガタがいました(´・ω・)