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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

2025 バス・バスターズ 最終日 「子供たちを育む伊豆沼」

2025年07月02日
仙台 鎌田 和子
こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。
5月18日から始まったバス・バスターズも6月15日で今シーズン最終回となりました。今回は、その6月15日の様子をお伝えします。
今シーズンは、雨にみまわれ全5回中2回が中止となってしまいましたが、最終回の6月15日は天気に恵まれ、青山外来生物企画官と一緒に参加してきました。
三角網
参加者の皆さんは、水際にそっと三角網を入れて、ブラックバスの稚魚が入っていないか、確認しています。今回もブラックバスは確認されませんでした。そして、ゼニタナゴの稚魚が6月8日に引き続き確認されました。
人工産卵床の確認
4月に着任した青山企画官は、バス・バスターズ参加歴15年以上の常連の皆さんから、人工産卵床の確認方法を学びました。
ブラックバスの産卵を確認
ブラックバスの産卵は2カ所の人工産卵床で確認されました。バス・バスターズ通信によると、人工産卵床に産み付けられていた卵は8000個と9000個だったそうです。
定置網にかかっていたのはカムルチー2匹
定置網を確認したところ、今回は、写真のカムルチーが捕獲されました。
「子供たちを育む伊豆沼」
今回、最年少参加の小学校5年生の佐藤匠真(たくま)さんと、同級生の佐藤愛(めぐみ)さんに話を聞いてみました。(AR日記で紹介することについては、お二人のご両親、ご本人から了承を得ております。)

ここ数年バス・バスターズで見かけていていた匠真さんと愛さんに、バス・バスターズの参加は何年目ですかと、質問すると、5年目と答えてくれました。匠真さんは、三角網で稚魚掬いをしている時も、魚影を見ただけで、ゼニタナゴ、モツゴなど識別できているのでびっくりしました。将来は魚類にかかわる研究者を目指しているそうです。愛さんも同じようにいきものに興味があり、バス・バスターズのほかに自然体験講座(伊豆沼研究室)に参加できることを二人とも楽しみにしています。
稚魚について質問する匠真さん
宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団の藤本さんに真剣なまなざしで匠真さんが質問しています。
観察ケースで魚を観察
気になる魚を観察ケースで観察しているところを撮影させていただきました。カメラを向けると素敵な笑顔を返してくれました。
カラスガイを観察
カラスガイの観察中は真剣な目になります。
伊豆沼のバス・バスターズで、小学生の学びと体験を支えてくれているのは、ご両親の理解、バス・バスターズに参加する多くの専門家、そしてフィールドとしての伊豆沼であり、これらが匠真さん、愛さんを育んでいるように感じました。これからも、伊豆沼が研究や保護活動などの志を持つ人々を育む場所であってほしいと思います。

沼の中の記念撮影
作業終了後、みんなで記念撮影をしました。 ※参加の皆さまには写真撮影について了承を得て撮影しています。
「それじゃあ、また来年ね!」みんながシーズン最後に交わす挨拶です。お疲れ様でした。

※バス・バスターズは、伊豆沼でブラックバス(オオクチバス)の駆除活動を行うために2004年に宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団によって結成されたボランティア団体です。特にブラックバスの繁殖期である5~6月の日曜日に活動しています。
今シーズンの活動は終了いたしました。皆様ご協力ありがとうございました。

今回のバス・バスターズでも、ラムサール条約湿地登録周年記念手ぬぐいを、配らせていただきました。
伊豆沼・内沼のラムサール条約湿地登録40周年と蕪栗沼・周辺水田の20周年を記念して作成した手ぬぐいは、今後も各イベントでラムサール条約湿地に携わる皆さまに感謝をこめて、お渡しする予定です。
手ぬぐいに注目
記念手ぬぐいは秋をイメージした赤茶、冬をイメージしたグレーの2種類があります。