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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

初夏の桃洞滝ツアーを開催しました!

2025年06月17日
秋田 大亀那月
こんにちは 秋田自然保護官事務所の大亀です!
6月14日㈯に桃洞滝ツアーを開催しました。

普段使われる桃洞滝コースではなく、今回は往路に黒石川登山道を使いました。
こちらは林床のすっきりした良質なブナ林に、黒石川に沿う尾根とその景色が見どころです。
今回は文章より写真を多めに掲載するのでそれらを参考にお読みください!
飛び石
桃洞滝コースで多くの人が使う飛び石。滑りにくいよう加工されてますが気を付けて渡りましょう
桃洞滝黒石川分岐
桃洞滝黒石川分岐を右へ!左を進めば馴染まれた桃洞滝コース
ブナ林
黒石川登山道のブナ林
ガイドの福士さんは森吉の地形や植物も、動物についてもなんでも教えてくださる森吉のプロです✨
綺麗だな、気持ちが良いなと歩く登山道にも一歩ごとにネタはごろごろ転がっています。
それを見逃さずに丁寧に自然解説をしてくださりました。
 
ユキザサ
ユキザサ。白い花からは良い香りがします。笹のような葉が名前の由来ですがユリ科です。
マイヅルソウ
マイヅルソウ。同じユリ科。白い花が似ていますが「心形」とよばれる葉の形が識別ポイントです。右下の葉が分かりやすい。
ヒメモチとアオキ
ヒメモチとアオキの解説中。同じ赤い実ですが、前者は葉の縁がツルツルで後者はギザギザ。
倒木した大木
樹齢200年とされる大木が2,3年前に倒木しました。かつての登山道は下敷きとなり今は空洞になった幹を横目に通るのみです。
尾根付近の登山道
尾根に出てすぐの登山道。木々がまばらですっきりひらけた道。
尾根からの景色
尾根からはノロ川牧場跡地が見えます。いつの間にこんな高く登っていたんだろうと小休憩。
尾根の頂上で休憩をとりツアー再開!
後半では大きな2本のミズナラが見られます。ミズナラはドングリをつける木です。
みんなで手を繋いで囲ってみると大人4人分はありました。福士さん曰くおそらくこの木は周囲のミズナラの親なのだそう…。

いよいよ黒石川登山道から桃洞滝コースに合流する分岐点に到着しました。
福士さんが参加者を森吉山登山道のほうに呼ぶと、そこにはブナの実をたんまり食べたクマ糞が…!
それ自体は数週間前のものですが、鉢合わせるかも!とやはり緊張感を覚えます。

この分岐から桃洞滝コースへ合流するには急坂を下る必要があります。
行く際は足元に注意して、焦らず慎重に下るようにしてくださいね。
桃洞滝コースに合流すれば平坦で歩きやすくなり、ノロ川沿いなのでこれまでとは景色が変わります。
横滝まで来ればあとわずか。どんどん滝を目指します。
ミズナラの大木
樹齢420年ほどのミズナラの大木。太い幹を囲うには、大人4人は必要です。
森吉山桃洞滝分岐にあったクマ糞
黒石川登山道から桃洞滝コースへ戻る分岐点にクマ糞がありました。森の中なのでクマ鈴やクマスプレーで対策してくださいね。
桃洞横滝に到着
黒石川登山道から下って桃洞横滝に到着。落差1mの横に広い滝です。
森を抜け、桃洞沢に出ました。沢はこのツアー数日前にやっと雪が解けたのでまだ春のような植物や花が見られます。
カタクリやシラネアオイなどは花が見られるのは珍しいのではないでしょうか。
イワカガミなどもありここだけ季節が遅れているように感じます。

ルートの岩盤上のくぼみにはオタマジャクシがいるので、誤って踏んでしまわないよう足元にお気を付けください。
飛び丸太を渡って、また岩盤上を歩いた先にお目当ての桃洞滝がお目見えです。
雪が残る桃洞沢
滝の手前、桃洞沢にはまだ雪が残っています。
シラネアオイ
雪の多い山に咲くシラネアオイ。参加者からはまだ咲いてる~と喜びの声も。
カタクリ
こちらも6月にはあまり見ないカタクリ。雪が残っている沢に群生していました。
渓谷の奥から突然姿を見せる桃洞滝にみなさん思い思いに観賞していました。
写真を撮り、ジーっと眺め、傍に寄ってみたり…。すぐ隣の六段の滝もご案内。顔を左上に向ければ見えるような真横に位置しています。

滝を見たら少しルートを戻って​沢沿いでお昼ご飯。
ハチクマや​オオルリの声、川のせせらぎも心地よい♪しっかりエネルギー補給と休憩をとって、センターへ戻ります!
桃洞滝
目的地の桃洞滝にゴール!写真を撮ったり見惚れたり…。3時間の登山道を歩き切った達成感を感じました。
桃洞滝
 
桃洞沢でお昼ご飯
滝を見たら桃洞沢でお昼ご飯。上空にはタカの仲間のハチクマやオオルリが確認され、食べ終わるとバードウォッチングが始まっちゃいました(╹ڡ╹ )
桃洞沢
足元をよ~く確認しながら川の中へ。滝のある川とは思えないほど落ち着いた水面です。
桃洞沢
桃洞沢の小さな滝。滝壺が深く、はまったら上がれないので落ちないよう注意!
復路はよく使われる桃洞滝コースです。
ミズバショウやヤチダモ林などこちらのコースにも見どころたくさん!
平坦で歩きやすいので、山中の4㎞でも1時間半ほどでセンターに戻れます。

立川橋を渡り、湧き水の池に行きました。この池にはガイドがないと気づきにくいルートなのですが、舗装道路からも見ることができるのでぜひ行ってみてください。
白い砂からキンキンの水が湧き出ていて、手を入れるととっても冷たい!ずっと入れてはいられません。
もっと夏になれば気持ちが良いかもしれませんね。

池から10分でセンターに到着!
9㎞弱の道のりですが皆さん楽しんでいただけたようで良かったです!雨も降らず、猛暑にもならず安心しました。
 
トチノキの花
登山道にパラパラ落っこちているトチノキの花。この小さい花が集まったものを「花序」といいトチノキは円錐花序を出します。
立川橋を渡る
いよいよ復路もあと少し。立川に架かる立川橋からセンターまでは10分ほど。開けた川でミソサザイが鳴いています。
湧き水
水温5℃ほどの冷たい湧き水。みんなで触って冷たさにびっくりです。
もし桃洞滝に行かれる際は、岩盤が滑りやすいのでスパイク付きの長靴をご準備ください。赤水渓谷は沢歩きのレベルが高めなのでガイドをつけることを強く、強く推奨いたします。
装備や服装、ダニや蚊への防虫対策、突然の天候不良に対応できる雨具などご持参のうえお楽しみください。
クマ鈴、クマスプレーは貸出がありますので、お忘れの際は出発前にセンター内のスタッフにお声掛けくださいo(^▽^)o