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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

2025 バス・バスターズ始動 「伊豆沼・内沼ラムサール条約湿地登録40周年を記念して」

2025年05月28日
仙台 鎌田 和子
こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。
今年も5月18日から、伊豆沼で行われているバス・バスターズが始まりましたので参加してきました。
この日は、宮城県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター研修室に初めての方から、長年参加されている常連の方、今年の参加が9年目になる宮城県立築館高校自然科学部の皆さんなど27名の参加者が集まりました。

伊豆沼・内沼ラムサール条約登録40周年の記念すべき年ですので、伊豆沼・内沼に携わっている皆様にとって特別な思いがあるかもしれません。
バス・バスターズ開会式の様子
バス・バスターズの開会式では、(公財)宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団の西村修理事長からご挨拶、次に藤本主任研究員から、これまでの取り組みと昨年の活動の成果などについて報告がありました。
ブラックバスと在来魚の変化のグラフ
藤本主任研究員の示したグラフでは、赤のグラフはブラックバスの増減、青のグラフは在来魚の増減を示しています。ブラックバスが減少すると在来魚が増えだしているところを説明しています。グラフの左1996年から右は2024年へと表示されています。
ラムサール条約湿地登録記念の手ぬぐい
仙台自然保護官事務所初代自然保護官である濵名次長から、今年、伊豆沼・内沼ラムサール条約湿地登録40周年、蕪栗沼・周辺水田20周年を記念して制作した手ぬぐいを持ち、ラムサールトライアングルと呼ばれる、伊豆沼・内沼、蕪栗沼・周辺水田、化女沼の周辺のデザイン等について説明しています。
このラムサール条約湿地登録周年記念手ぬぐいは、5月18日ご参加いただいた皆様に1枚1枚お渡し、今後も伊豆沼のバス・バスターズなどの保全活動にご協力いただきますよう、言葉を添えてさせていただきました。

ウェダーに履き替え、伊豆沼で作業開始です。それぞれ三角網を持ち、沼の中でガサガサ探りながら、150基設置してある人工産卵床をみんなで確認しました。
手ぬぐいをかぶって沼を進む
三角網を持って進む濵名次長は、ラムサールの記念の手ぬぐいをかぶっています。お渡しした手ぬぐいは、このような作業で日よけに汗をぬぐうためにご活用いただけたら幸いです。
人工産卵床の確認
二人で息を整えて1,2,3、人工産卵床を揚げました。ブラックバスの産卵が無いか、その他の生き物がいないか確認しています。
三角網の中のいきもの
三角網をガサゴソ、これは何か、みんな気になり、藤本さんのところに駆け寄ります。
今回、ブラックバスの産卵は人工産卵床1基で確認されました。150基の人工産卵床の番号の付いたポールのほとんどにモツゴが産卵していたのが印象的でした。三角網や定置網含めブラックバスの成魚と稚魚の捕獲は0匹でした。在来種では、メダカ、タモロコ、モツゴ、ヌマチチブ、エビ類などが確認されました。
定置網を揚げる
2箇所に設置した定置網も確認します。1基目はヘラブナ、2基目には大型のライギョやフナが捕れましたがブラックバスの成魚や稚魚は確認されませんでした。
ブラックバスの産卵
ブラックバスの産卵を確認した人工産卵床。産卵のために石を払いよけている形跡と卵が確認されました。産卵が確認されたのは、この人工産卵床1枚だけでした。
沼の中の記念撮影
作業終了後、みんなで記念撮影をしました。 ※参加の皆さまには写真撮影について了承を得て撮影しています。
参加していただきました皆さま、お疲れ様でした。
※バス・バスターズは、伊豆沼でブラックバス(オオクチバス)の駆除活動を行うために2004年に宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団によって結成されたボランティア団体です。特にブラックバスの繁殖期である5~6月の日曜日に活動しています。
バス・バスターズの参加申し込み等については、次のURLをご確認ください。

http://izunuma.org/2_3.html

今年は、ラムサール条約湿地登録伊豆沼・内沼の40周年と蕪栗沼・周辺水田の20周年を記念して作成した手ぬぐいは、ラムサール条約湿地に携わる皆さまに感謝をこめて、お渡しする予定でおります。