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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

羽黒自然保護官事務所だより 2024年10月・11月

2024年12月06日
羽黒 守屋明子
羽黒自然保護官事務所は出羽三山の1つ・羽黒山の麓にあります。
事務所の周囲には住宅地が広がっていて、月山が源の今野川が流れています。裏庭に多様な植物が繁茂し、時には生き物がやってくることも。
彼らは職員にとって一番身近な自然。時に自然の理を示す教師であり、時に切磋琢磨しあう貴重な友人です。
その中から草取りや休憩中に運良く出会い、カメラに収まってくれた面々をご紹介します。
 
いつまでも高温が続いて季節感がすっかり麻痺していた10月初め。各地の山小屋から届く小屋閉めの報に、登山シーズンの終焉を知らされました。
 
これまで10月といえば山岳地では秋と冬が同居する境目の時季で、天気が崩れれば吹雪くこともあります。ところが今年は穏やかな天候も多く、例年に比べ多くの登山者の方が高山帯まで来られたようです。それでも下旬には寒気を伴った低気圧が大暴れ。下界から雪に覆われた白い稜線を望める日もありました。
 
羽黒自然保護官事務所の周辺も朝晩はかなり冷えるように。庭のケヤキは風雨の度に身軽になっていきました。
羽黒自然保護官事務所
10月上旬、まだ屋外でも活発なテントウムシ
羽黒自然保護官事務所
10月中旬、早朝に出勤した日。 玄関先で眠る?トンボを起こさないよう静かに現場へ
羽黒自然保護官事務所
10月2日のケヤキ
羽黒自然保護官事務所
10月31日のケヤキ
裏庭を訪れる鳥の種類も増えました。ときどきヒヨドリが激しいバトル?
羽黒自然保護官事務所
見ている方も熱くなって手ブレ(言い訳です)
羽黒自然保護官事務所
10月21日 初冬の嵐が去った後、雪化粧の月山
登山シーズン終了とともに、各種業務のまとめと冬支度が集中する繁忙期が始まりました。
アクティブレンジャー日記に取りかかる暇もないまま11月に突入すると、時に雷を伴った嵐の日が来るたびに気温が下がり、冬に近づいていきました。
羽黒自然保護官事務所
カエルも冬色に変身
羽黒自然保護官事務所
雨と低温が続いた後、裏庭にスッポンタケ出現
庭の雑草も一気に勢いを失いボリュームダウン。これ幸いと草を抜こうとすると、弱った葉に比べ根っこはむしろ力強さを増し、歯が立たず。紫外線の弱まりとともに、彼らの生命の主体は地上より地下にシフトしたのだと気づかされました(個人の感想です)。
 
周りの枯葉をよそに、隆盛だったのがイチイの木。春先に枝を伐採したら、なかなか葉をつけてくれなくて気をもんでいました。元々深山に生える木だからなのか、気温が低い方が成長するようです。
身近な草木にも植物の生存戦略が見え隠れして興味が尽きません。
羽黒自然保護官事務所
イチイは天に向かってのびのびと
羽黒自然保護官事務所
寒さに負けず咲いていた未同定の花
羽黒自然保護官事務所
この時期いつもやってくるモズ
羽黒自然保護官事務所
11月10日の月山 頂上の神社や山小屋を遠望
下旬のある日中、ほら貝の轟きが次第に近付いてきました。ここ山形県庄内地方の年末の風物詩、「松の勧進」です。年末に羽黒山で行われる「松例祭」への寄進を求め、羽黒山伏が庄内地方一円を回ります。
その時期は街中で山伏が闊歩する、風情ある光景が見られます。
羽黒自然保護官事務所
当事務所にも山伏さん来所
羽黒自然保護官事務所
11月末のケヤキ なんだか軽くなりましたね
月末、ケヤキは葉っぱをほとんど落としていました。大量の落ち葉掃きもこの季節ならではの業務です。
ケヤキのように、年末に向けて様々なものを整理してすっきりしたい羽黒自然保護官事務所です。