アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
白神山地合同パトロール（藤里駒ヶ岳編）
2022年08月17日
白神山地
こんにちは。西目屋自然保護官事務所の神です。
今日は先月7月9日（土）に行われた「白神山地世界遺産地域合同パトロール」の様子をご紹介したいと思います。
白神山地では、毎年、世界遺産に関わっている人達と協力して合同パトロールを行っております。広大なエリアなので青森県側、秋田県側、それぞれの地域で日程を決め、年に数回、パトロールを行いますが、天候や道路状況などにより中止になることもしばしば。現に青森県側は、6月の大雨の影響で7月のパトロールは中止になりました。
今回は、秋田県側のパトロールで初夏の藤里駒ヶ岳に行って来ました。参加者は、東北森林管理局の方々や白神山地巡視員のみなさんと官民一緒にパトロールをしてきました。（年によっては警察官や消防隊員も参加します。）
登山道は、ゴミや樹木の損傷もなくきれいに利用していただいておりました。途中、所々にブナの実がこのように散乱していました。きれいに中身だけ食べていますね。この器用さはサルでしょうか。青いブナの実が落ちているのが見えますか？
今年はブナの花が多く9年振りに豊作が期待されています。以前はブナの豊作が５、６年に一度くらいの頻度だっただけに、間隔の長さが気になります。
秋田側から白神山地の遺産地域に入るには、二ッ森ルートと小岳ルートがありますが、登山口までの林道走行が非常に長いのです。その点、藤里駒ヶ岳は遺産地域ではありませんが、アクセスも岳岱自然観察教育林から車で１５～２０分くらいで行けるので、観光客にも人気があります。
ふと、振り向くと原澤保護官の帽子にブローチが・・・よく見ると毛に覆われています。図鑑で調べてみたら、スズメガ科が近いような気がしましたが、これは何蛾でしょうか。
山頂の手前は急登が待っていましたが、細尾根に上がると白神の山々に迎えられ、疲れも吹っ飛びます。青森県側、秋田県側の山々が、ぐる～っと360度見渡せます。白神山地の中でも抜群の眺望です。
日本海側から稜線を目で追っていくと、その先には寒風山や鳥海山が見えました。途中の道のりが辛くとも、山登りがやめられない理由はそこにありますね。