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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、十和田八幡平、三陸復興、磐梯朝日国立公園があります。

令和4年度十和田八甲田地区パークボランティア活動 始動しました!

2022年05月17日
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ

放れ鴛(おし) ひとすねすねて 眠りけり 小林一茶

 

いつのまにか冬鳥の姿が少なくなり、通勤途中の湖畔ではオシドリが悠々と泳いでいます。

鮮やかな羽はオスで地味な色合いはメスです。

 

野鳥は、車から降りて写真を撮ろうとすると、あっという間に遠ざかってしまうので、車の窓を開けてそっと撮ります。

遠くにぼんやりと写っているのは、どうやらカンムリカイツブリです。

カンムリカイツブリは、子供を背中に乗せて交代で子育てすることで知られています。

十和田湖で繁殖している姿を見てみたいものだと思います。

 

 

おしどり夫婦という言葉がありますが、新潟の民話からきているようです。

オシドリは毎年ペアを変え、メスの1.5倍の数がいるオスは派手な羽で自己アピールして繁殖活動をします。

十和田湖畔の季節の移り変わりは猛スピードで進んでいるように思います。

 

さて令和4年度に入り、十和田八甲田地区パークボランティア活動が始動しました。

先日行われた、二つの活動の紹介をします。

 

5月7日は、恒例の春の自然観察会を行われました。

先日、環境大臣表彰を受賞した、自然公園財団十和田支部の山下さんを講師に迎え、十和田湖畔休屋地区を2時間ほどかけて案内していただきました。

〈満開のサクラの中を散策〉

いつもの風景の、歴史や自然について深い知識をご紹介いただき、更に十和田湖に愛着がわいた方も多かったのではないでしょうか。

〈乙女の像の前で樹木の説明を聞く〉

 

5月11日は、第1回の蔦野鳥の森歩道整備作業でした。

気温が高くなるにつれ、至るところでエゾハルゼミも鳴き始めました。

春から初夏への移り変わりを実感します。

雪解けも進み、グリーンシャワーの降り注ぐ、心地良い時期になってきました。

 

〈長沼と赤倉岳〉

 

今年はブナの花がたくさん咲いて、落ちた雄花が地面をおおっていました。

そんな中のいくつかが、花の上に乗っています。

 

〈エンレイソウに上のブナの雄花〉             〈スミレの上のブナの雄花〉

 

菅沼のムラサキヤシオが開花していました。

パークボランティアの方々は、ここ3年ほど活動自粛が続き、十分な活動ができませんでした。

今後は、以前のように活動ができるようになるといいですね。

 

当たり前のようにある自然ですが、様々な保全活動や細かなきまりなどにより保たれていることを忘れないようにしたいものです。

目の前に広がっている光景が、実は誰かの力によって支えられているということを、頭の隅にでも置いていただけたら嬉しいです。

 

サンカヨウも咲き始めました。〈蔦野鳥の森にて〉

今朝の通勤路で、カンムリカイツブリを見かけました。

十和田湖畔でゆっくり野鳥観察もお勧めです。