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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

西吾妻山へ

2022年02月16日
裏磐梯 村上英夫

グランデコスキーリゾートから標高1982メートルの西大巓へ登り、さらに2035メートルの西吾妻山へ至るコースは、四季折々の味わいがある人気のルート。

積雪期は、なだらかな山稜に樹氷原が広がり、多くのハイカーが、スノーシューやワカン、シールを装着したスキー等を履いて登っていきます。

2月9日木曜日、このルートの利用状況の調査を行いました。

会津地方はしばらく冬の厳しい天候が続いていましたが、この日はまさかのピンポイントの晴天。

リフトを利用しスキー場トップから登山開始。

すでに複数の明瞭なトレースが山頂へ延びていました。

氷と雪を被ったダケカンバやオオシラビソの樹林帯を1時間ほど歩いて標高を上げていくと、背後の視界が開けて、裏磐梯の景色が見えてきます。

標高1800メートル近くになると、幹や枝葉がほぼ完全に氷に覆われた樹氷が登山者の周囲を囲みます。

1時間40分のハイクアップで西大巓の山頂到着。ここでシールを外して鞍部に下ります。

山頂からは、たおやかな姿の西吾妻山が眼前に。

避難小屋が小さく見えます.

西大巓から西吾妻山へのルートには広大な樹氷原が広がり、「モンスター」と呼ばれる樹氷の間を縫うように歩きます。

西吾妻の樹氷は、蔵王や八甲田ほど背が高くないので「リトルモンスター」とも呼ばれます。

シュカブラ(雪の風紋)もきれい。

西吾妻小屋は3分の1ほど雪に埋もれ、中に入るには窓の横の冬季用出入口を使います。右の写真は9月に撮影したもの。                   

 

西吾妻山頂の道標は雪の下。山頂付近は平らで茫洋としてどこが山頂なのか判然としませんが、無雪期とは異なり視界が開けているので、県境尾根の向こうに一切経山の姿が望めます。

背後には西大巓が雲海に浮かんでいました。

天気が良いと最高のコースですが、山がガスに包まれると、なだらかな山容がルートファインディングを難しくします。

また、西大巓からスキー場へ下るルートは樹間が狭く、滑走するには技術と経験が求められ、雪の中に隠れた枝や倒木もあるので、十分な注意が必要です。

この日、出会ったハイカーは約10組、25名ほど。

スノーシューまたはワカンのハイカーが多く、スキーとスノーボードの方々が約10名。

好天の週末には多くのハイカーが訪れる、吾妻の自慢のルートです。