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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

霊験あらたか十和田神社

2022年01月19日
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ

みなさんは、1月18日、2022年最初の満月を見る事ができたでしょうか?

風雪の中で待っていると、一瞬だけ顔を見せてくれました。

〈17日深夜〉

〈18日早朝〉

〈外輪山に沈む睦月の満月〉

〈はるか白きたおやかなる櫛ヶ峰〉

〈樹氷原ができています〉

まだまだ続くコロナ禍の中、思うように初詣などに行けない方もいらっしゃることと思います。

そこでパワー溢れる新年の十和田神社の様子をお知らせします。

私は、毎月1日と15日に欠かさず十和田神社に参拝し日頃の感謝を伝えます。

年末は晦日参りもしました。新たな年の1日は氏神様に一番に詣で、2日に信仰する神社と十和田神社にお詣りすることを数年続けています。

十和田神社は青龍大権現を、明治の神仏分離以降は日本武尊(ヤマトタケルノミコト)もお祀りしています。

早朝の空気が澄んでいる時間が、一番美しくパワーがありますので是非早い時間がお勧めです。

はらはら雪が舞って幻想的な山門と窓木のご神木

愛らしい狛犬のお出迎え

手洗い場の龍神様は氷を吹いています

目隠しされてもみんなお見通し?

みちのくの霊場と呼ぶにふさわしい佇まいが見えてきました。

優しい表情の狛犬が待っています。

随所に龍神様の彫刻が施されています。

熊野大社、稲荷神社、青龍大権現のお宮がありますので、そちらもお忘れなく。

青龍大権現は、階段を100メートルほど登った場所にあり、そこから鉄製のハシゴ(現在は使用出来ない)を湖まで下りた場所に「占い場」があり、以前は吉凶を占う場所でした。今は船でしか行けません。

占い場への階段と、登った先にある青龍大権現。(昨年秋撮影)

立ち入り禁止の占い場をのぞき込む。

Sea to  summit という概念で、海抜0メートルから山の頂へとチャレンジする登山や自転車のレース、トレッキングなどを楽しむ人々がいます。

かつていにしえの人々が太平洋側から十和田神社まで歩いていたように、自分の足だけで到達する感動を味わってみたいものです。

十和田神社から少し歩くと、観光客が必ず立ち寄る「乙女の像」があります。

正式名は「十和田国立公園功労者記念碑のための裸婦像」といいます。

春から秋は、観光バスのお客様が旗を持った添乗員さんに引率されて歩いている姿も見かけますが、今は越冬で訪れている白鳥と私だけでした。

写真の中に、白鳥と私がいます。探してみてください。

いつ眺めても他人のように思えなく、どっしりと大地を踏みしめる足を自分と重ね合わせて見てしまいます。

雨にも負けず、風にも負けず、の精神を感じます。

ここまで日記を書いた後に、タイミング良く「乙女の像」の作者高村光太郎の連翹忌(れんぎょうき:光太郎の命日に行われる)運営委員会代表の方の講話を聞く機会に恵まれました。

光太郎は「智恵子観音」を製作したいと、雑誌の対談で話していたことや、高村祭(光太郎岩手県花巻市に疎開した日に行われる祭典)が私の誕生日であること、宮澤賢治や岩手との関わりなど、たくさんの事を学びました。

湖畔にある十和田市の施設「ぷらっと」に高村光太郎や大町桂月の様々な資料が展示されています。展示の様子、高村光太郎や「乙女の像」については、後日の日記でまたお知らせしようと思います。